あなただけの、味わいの空間 茶の湯に通じる「一杯立てコーヒー」 Koyama Coffee(福岡市)

福岡を食べる

 秋は彼岸花、今は早春に花開くけいおうざくら。野の花を生けた店内で、小山貴史さん(48)はコーヒーをいれる。注文を受けてから豆をひき、湯を注いだ豆がぷっくり膨らむのを真剣なまなざしで見つめながら、一杯一杯、丁寧に。

 喫茶店「Koyama Coffee」は昨秋から、福岡市中央区大宮の仮店舗で営業している。繁華街から少し離れた、灰色のコンクリート作りの落ち着いた建物で、小さな中庭からは自然光が差し込む。聞こえるのはバロック音楽とお湯が沸く音、時々聞こえる会話の声だけ。

 2021年8月に閉館した同市・天神のイムズで9年2カ月間営業していた。イムズでは、セレクトショップの奥にあり「隠れ家」と評された。今も雰囲気は変わることなく、常連の女性は「ここは小山さんの人柄そのもの。もう10年も前から、ここでコーヒーをいれている感じがします」と話す。

 小山さんの所作は簡潔で無駄がない。どこで修業したんですか、と聞くと、「実家が喫茶店でして」と言う。どちらで。「六本松です」。きびきびとした動き、目の前でドリップされる時にコーヒー豆が膨らむ光景、そして六本松。...

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