【独自】「顧客5人の貯金から7000万円」山口の郵便局長が横領疑い

 山口県防府市の小規模郵便局の局長が、顧客などから約7千万円を横領した疑いがあるとして、日本郵便が調査していることが14日、関係者への取材で分かった。小規模局の局長を巡っては、昨年以降、詐欺や横領などの不祥事が相次いで発覚。原則として転勤がない局長の特殊な人事制度が、不正の温床になっていると指摘されている。

 関係者によると、昨秋、防府市の局長が顧客2人から通帳を預かり計約1千万円を無断で引き出していたことが発覚。局長は内部調査に「全部で5人の顧客の貯金から約7千万円を横領した」などと話している。この他、横領した口座に架空の入金処理をして隠蔽(いんぺい)を図ったり、局内の金庫から約300万円を横領したりした疑いもあるという。

 同社は西日本新聞の取材に「警察と相談の上、社内調査を行っているが、捜査に支障を与える可能性があるので詳細は控える。郵便局の信頼を損ね、誠に申し訳ない」とコメントした。問題発覚後、局長職を解任して郵便局業務から外したという。

 日本郵便は不祥事を防止するため、社内ルールで局員を定期的に異動させると定めているが、局長は対象外で大半は異動しない。

 長崎市の元局長が20年以上にわたり顧客から10億円超を詐取した問題を巡り、衣川和秀社長は昨年6月の記者会見で、局長が長期間、同じ職場にとどまる仕組みが不正の背景にあると認めた。だが「局長には地域に密着する役割がある」などの理由で、その後も人事制度はほとんど変えていない。

 (宮崎拓朗)

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