遺体1000体と向き合い15年…84歳警察医に飯塚署が感謝状

 福岡県警飯塚署は、長年にわたって遺体を検視する検案嘱託医を務め、3年前からは留置人の健康診断などを行う警察医としても警察業務に貢献したとして、武富内科医院(飯塚市飯塚)の院長、武富弘行医師(84)に感謝状を贈呈した。

 武富医師は、1973年の福岡大学病院開設当時から、主に消化器科の外来診療を担当、44年前に飯塚市で開業した。

 嘱託医になったのは約15年前。前任の医師が高齢だったため引き継ぎ、昨年までに向き合った遺体は千体を超えたという。夜中でも現場に向かうことは少なくなく、多いときは1日に4体の遺体を検視することもあった。昼夜を問わない呼出しにかかわらず、謝礼はわずかというが、「地道だが大変な仕事をしている警察のために力になりたいと思った」と話す。

 「近年は新型コロナウイルスの影響による経済的困窮のためか、自殺者も増えてきている」と武富医師。筑豊地区内には独り身の高齢者も多く、亡くなってから何日も経過した遺体を検視することもあるという。武富医師はその都度、「次生まれてくるときは、さみしい死に方をしないで」と心の中で、声を掛けるという。

 12日に開かれた感謝状贈呈式で松島浩司副署長は「武富先生には昨年、署管内で発見された遺体の約半数を診ていただいた。署員一同、非常に感謝している」とお礼を述べた。感謝状を手にした武富医師は「代わりがいないからやってるだけです」と謙虚に笑った。

 (大橋昂平)

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