世界を熱くした九州の「宝」 第67回西日本スポーツ賞4選手の横顔

 令和3(2021)年度にスポーツ界で輝かしい業績を残した九州・沖縄の個人や団体に贈る第67回西日本スポーツ賞(共催・テレビ西日本、協賛・富士通Japan、日本製紙)に4個人が決まった。

 アマチュア関係では、昨年の東京パラリンピック陸上女子マラソン(視覚障害T12)で金メダルを獲得した道下美里選手(45)=三井住友海上、福岡県太宰府市在住=が5年ぶり2度目の受賞。昨年の東京五輪柔道女子78キロ超級金メダルの素根輝選手(21)=パーク24、同県久留米市出身=が2年ぶり2度目の受賞となり、同五輪陸上女子1万メートル7位入賞の広中璃梨佳選手(21)=日本郵政グループ、長崎県大村市出身=が初受賞した。

 プロフェッショナル関係では、東京五輪野球日本代表として金メダル獲得に貢献した福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手(29)=大分市出身=が初めて受賞した。

 29日に贈呈式を行う。同賞は西日本スポーツの創刊を記念して、昭和30(1955)年度に第1回の贈呈が行われた。

 

大会記録、笑顔でゴール     道下美里選手 

東京パラリンピック陸上女子 マラソン(視覚障害T12)「金」

 道下を祝福するかのように、ゴールの瞬間、国立競技場の雨空から光が差し込んだ。東京パラリンピックの女子マラソン(視覚障害T12)で、世界記録保持者の道下は3時間0分50秒の大会記録で優勝。「最高の準備をして臨んで思い通りにできた」と満足できた。

 小学4年時に遺伝性の膠様(こうよう)滴状角膜ジストロフィーを右目に発症。その後視力を失った。短大卒業後、左目も同じ病で光を認識できる程度になった。山口県立盲学校(現県立下関南総合支援学校)でダイエットを目的に始めた陸上で開花した。

 福岡市の大濠公園を練習拠点にして、伴走者や栄養士ら約10人の「チーム道下」のサポートを得て、何度も世界記録を塗り替えた。コロナ禍で大濠公園を使えない時期は、人がいないダム湖周辺を走った。「練習環境をつくってくれたのは仲間の皆さん」。銀メダルの2016年リオデジャネイロ大会では悔し涙を流したが5年後、笑顔に変えた。

 24年パリ大会は47歳で迎える。「このまま何もなければ目指すと思う」と語った。

 (林 原弘)

 ◆道下 美里(みちした・みさと)1977年1月19日生まれ。山口県下関市出身。中学時代にやっていた陸上に26歳で再び取り組み、中距離で活躍後にマラソンへ転向。2019年にロンドン・マラソン3連覇。20年には2月の別府大分毎日マラソンで2時間54分22秒、同12月の防府読売マラソンで2時間54分13秒をマークし、世界記録を1年で2度更新した。144センチ。

 

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