【第2部】裁判資料もネットに…差別の実態「書けない」拡散リスクに二の足

【さらされた部落リスト⑨法廷編

 インターネット上に公開された被差別部落のリストを巡る直接会談は、物別れに終わった。東京地裁での法廷闘争に踏み切った以降も、セオリーは通用せず、いばらの道が続く。

 何度読み返しても歯がゆいが、何度書いても同じような内容になるだろう。福岡県在住の原告の女性(63)は、自分の陳述書にそんな感情を抱いた。

 鳥取ループを名乗る出版社代表、宮部龍彦氏(43)を相手取り地名リストの削除や出版禁止を求めた訴訟は、被差別部落出身者ら250人近くが原告に名を連ねた。地名リストがどんな実害を引き起こすかを裁判所に示すため、原告側は全員が自分や親族の差別体験をつづった陳述書を作ることにした。

 「陳述書は宮部氏に渡ります」。2018年8月、打ち合わせで飛び出した弁護団の説明に、女性は耳を疑った。「それじゃ書けない」。思わず声が出た。...

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