初回限定クーポンでお買い得のはずが…通販サイトの定期購入、私がはまった落とし穴

 「母が通販サイトで化粧品を定期購入したが、簡単に解約できずに困った」。奈良県の30代女性から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に憤りの声が届いた。肌に合わなければ途中でやめられると思っていたが、実際は半年分の商品を購入しなくては解約できない条件があり、合計約4万円を支払わざるを得なかった。消費者庁によると、定期購入を巡るトラブルは急増している。どこに落とし穴があったのか。

 60代の母親は1月、インターネット広告に出たファンデーションに目を引かれた。1カ月分1万1890円の定価が、初回に限り2980円になるコースを選び、1カ月分だけでも「解約可能」という言葉を広告上で確認。注文を確定後、画面に表示された千円割引クーポンを利用した。

 届いた初回分を試したが、合わなかった。解約の受け付けは電話のみのため、商品到着から1週間後、女性と母親は業者に電話をかけ続けたが、通話中か「混み合っています」とのアナウンスが流れるばかり。

 2月中旬には、次の商品として2カ月分が届いた。メールで問い合わせると「クーポンを利用した場合、初回に加えて180日分(2カ月分を3回)購入しなければ解約できない」と返信があった。この条件を把握しておらず、驚いた。

 解約の電話をかけ始めて1カ月後、ようやくつながった。解約を申し出ると、業者側は「このコースは途中解約できない。利用規約に書いてある」と主張。結局、商品は受け取らず、料金4万円だけは支払うことで決着した。

 「広告やクーポンには条件などが書いてなかった。納得できない」。女性の怒りは収まらない。

■小さな利用規約、記者が読み込んでみると

 女性の母親が利用したサイトを記者も見てみた。

 商品の魅力とともに「初回2980円」「180日間返金保証」などと強調する画面が続き、「休止・解約はいつでも可能です」とも表示される。一方で申し込み欄には、小さく「利用規約について承諾し、定期コース詳細条件、返金保証に同意して申し込みます」というチェック項目がある。

 クーポンコースの利用規約は別画面に表示される。「注文確定後の会員都合による4回(30日分×1回・60日分×3回)未満でのご解約はお受けしておりません」。ついクーポンを使ってしまうと、合計210日分を購入しないと、解約はできない条件だった。

 クーポンを使わなかった場合はどうか。いつでも休止や解約は可能としつつ、規約には「転売防止策として初回のみで休止・解約の場合に限り定価との差額請求が発生」とある。つまり初回だけ試すつもりでも、定額1万1890円の支払いは不可避となる。

 さらに、広告がうたう「180日間返金」もハードルが高い。まず180日分まで定期購入し、代金を支払う。期間終了直後に電話で返金を申し込み、納品書や使用済み容器を返送しなければならない。返金が実現するのは、その後だ。

 規約に明示してあるとはいえ、こんな複雑な仕組みを消費者は理解できるのか。トラブルはないのか-。記者は20日までに何度も業者に電話したが、やはりつながらない。メールでも問い合わせたが、20日までに返信はなかった。

(黒田加那)

関連記事

PR

PR