改憲論へ変わった人も…9条への意識、侵攻の影響は? あな特アンケート

 日本国憲法は3日で施行から75年を迎えた。西日本新聞「あなたの特命取材班」は、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる全国の「通信員(フォロワー)」にアンケートを行い、ロシアのウクライナ侵攻前後で平和主義を規定する9条への意識にどのような変化があったかを探った。9割近くがウクライナ侵攻を日本への脅威と回答、改正機運が高まっていると感じるのは約6割に上った。1割が「9条を改正すべきだ」に考えを変え、改憲派が護憲派を逆転した。

 アンケートは4月25~28日に実施し842人が回答。ウクライナ侵攻について、日本に対しての脅威か尋ねると「感じる」が58%、「どちらかといえば感じる」が29%だった。複数回答でその理由を聞くと「中国・北朝鮮など東アジアの情勢に影響しそう」「核兵器使用の恐れ」「国連が影響力を示せていない」を選んだ人が特に多かった。

 侵攻をきっかけに9条改正の機運に変化を感じるかは「高まっている」21%、「やや高まっている」42%を合わせて6割を超えた。「有事の議論をこの平和下できちんとすべきだ」(63歳会社員の男性)と歓迎する意見の他、「むやみに自衛論が広がっていくことが怖い」(61歳パートの女性)と警戒する声も。「変化はない」は28%だった。

 9条改正の是非については、侵攻前は「改正すべきだ」38%、「改正すべきでない」47%だったが、侵攻後は「すべきだ」48%、「すべきでない」43%と改憲派がわずかに上回った。侵攻前「すべきではない」「どちらともいえない」だった10%(88人)が「すべきだ」に考えを変えた。

 福岡県太宰府市の男性(56)は改憲派に変わった一人。9条で自衛隊の活動が制限されることを肯定的に捉えていたが、侵攻を受けて「核保有国が攻めてくれば、しっかりした軍事力を持たないと抑止にならない」と思うようになった。

 一貫して「改正すべきだ」と答えたのは東京都の会社員の男性(54)。安倍晋三元首相らが言及した、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」に関して「核保有につながるという理由だけで批判された。もっと自由に議論すべきだ」と強調した。

 一方、「改正すべきでない」との立場が変わってない佐賀市の男子大学生(19)はここ最近、友人や家族との会話で「国防」が話題に上るという。「(話し相手は)中国などを脅威と考えていて、聞いていると自分も有事に不安を感じる」。9条改正の機運は肌で感じており「世界で唯一の被爆国で戦争の痛みを知る日本が、再び同じ道を歩むのにつながらないだろうか」と不安げに話した。 (山口新太郎)

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 アンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。

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