「血が騒いだ」福岡ラーメン大御所師弟が復活させた人気店の味

 福岡ラーメン界の大御所2人が厨房(ちゅうぼう)に立つラーメン店が話題となっている。福岡市城南区東油山のふぐ割烹(かっぽう)「油山山荘」の料理長、渡辺健さん(73)が、かつて営んでいた人気ラーメン店「丸八」を敷地内に復活させた。支えるのは渡辺さんの弟子で福岡の老舗「名島亭」創業者の城戸修さん(70)だ。

 格付け本「ミシュラン」で二つ星を獲得した油山山荘で腕を振るう渡辺さんは、大のラーメン好きでもある。割烹を営みながら1989年に同市博多区で丸八を開業。久留米ラーメンの作り方を基本にした濃厚な味が評判となったが、客が相次ぎ、手が回らなくなり店を閉じていた。

 再開のきっかけは一昨年夏。コロナ禍で割烹が休業を強いられる中、昼のみラーメンを提供したこと。ひと夏だけの予定だったが、「ラーメン好きの血が騒いでしまってね」。

 実は反省点があった。ふぐ用の厨房では火力やこんろ数が足りない。完璧を目指そうと、割烹の宿泊場所を店舗に改装し、ラーメン専用の厨房設備も新設。今年1月に丸八を復活させた。とはいえ、夜は割烹の仕事が待つ。ふぐとラーメンを両立するために城戸さんの助けを借りることにした。

 長浜系の店で修業した城戸さんは「一風堂」創業者、河原成美さん(69)の兄弟子として知られる。その一方で、87年の独立後には「久留米系のつくり方も勉強したい」と渡辺さんに弟子入り。渡辺さんとは「先生」と「名島」と呼び合う仲で、ずっと交流が続いていた。「ラーメンを復活させたいという先生の気持ちは分かっていた。今回はぼくがけしかけた面もありますよ」と城戸さんは笑う。

 名島亭ののれんは河原さんが経営する会社のグループに譲った。それでも“生涯ラーメン職人”を貫く城戸さんは「人生最後の仕事にこの現場を選んだ。先生を下支えしたい」と意気込む。隣の渡辺さんは昔の感覚がよみがえってきているようだ。「思い通りの味になってきた。山荘の雰囲気の中、ゆったりとラーメンをどうぞ」

 経験も、味もずっしり濃厚な一杯を準備している。

 スープからチャーシューまでこだわり抜いたラーメンは1杯千円。丸八=092(871)5034。 (小川祥平)

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