小学生ケアラー 早期に見つけ出し支援を

 社会全体で重く受け止めるべき深刻な数字である。

 本来は大人が中心に担う家事や家族の世話を、日常的に行っている子どもや若者たちがいる。こうした「ヤングケアラー」に関する厚生労働省の調査で、小学6年生の6・5%が「世話をしている家族がいる」と回答した。

 世話に要する労力や時間はさまざまとはいえ、約15人に1人、1クラスに2人がケアラーと推定できるという結果には驚かざるを得ない。

 2021年公表の調査では中学2年生の5・7%、高校2年生4・1%が同様の回答だった。ヤングケアラーは、低い年齢層にも広がっていることになる。支援は喫緊の課題と言えよう。

 ヤングケアラーの存在は、長く見過ごされてきた。家庭での子どもの様子は教員にも把握しにくい。家族の病気などの事情が絡むこともあり、子ども本人があまり話したがらないという指摘もある。

 今回の調査では、平日に7時間以上も家族の世話をしているにもかかわらず「特に大変とは感じていない」との回答が少なくない。世話や家事が日常化した結果、「当たり前のお手伝い」と考え、年齢や成長に見合わない負担が生じていることに本人が気づかないケースもありそうだ。

 低学年の小学生ケアラーには、自らの状況を客観的に認識できず、教員など周囲に相談することすら思い付かない子どもも少なくあるまい。

 まず大切なことは、教職員を中心とした学校関係者が早期に見つけ出すことだ。

 家族の世話に追われれば、健康状況や学校生活にも影響が表れる。調査によると、小学生ケアラーには遅刻や早退が多く、健康状態がよくない傾向がある。授業中に寝てしまう、宿題を提出しない、忘れ物が多い。そんな影響もある。「サボり」や怠慢と決めつけず、子どもの異変を見逃さないことが肝要だ。

 ヤングケアラーが置かれた状況はさまざまである。幼いきょうだいの世話が多いが、病気や障害のある家族の介護や介助に追われるケースもある。家計を助けるためアルバイトをしている子もいる。

 ケアラーの多様性やその実態について、教職員研修などで理解を深めることが欠かせない。自治体は交流サイト(SNS)なども活用して相談窓口を設け、状況に応じて、家事・育児サービスなど効果的な支援が提供できる体制を整えることが必要だ。

 国会でも自民党などがヤングケアラー支援の議論を始めている。与野党の垣根を越えた議員立法による支援拡充も検討すべきだろう。

 調査回答の自由記述には、切ない訴えが並ぶ。「休める場所、時間が必要」「ひとりの時間や自由に使える時間がほしい」「勉強を教えてほしい」「助けてほしい」といった声だ。私たち大人には、苦しむ子どもの声に応え、支援する責務があるはずだ。

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