佐賀工、折れぬ心で花園へ 選抜高校ラグビー準決勝辞退を糧に成長

【全力応援】

 3月に開催されたラグビーの全国高校選抜大会(埼玉・熊谷ラグビー場)は新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)された大会になった。大会前に長崎北陽台が陽性者が出たため出場を辞退。決勝に進出した東福岡は1回戦で対戦したチームから陽性者が出たことで、感染対策のための大会規定にのっとり、決勝の辞退勧告を受け入れた。佐賀工も準々決勝で対戦したチームに体調不良の選手が複数出てコロナ感染の疑いがあったため、東福岡と対戦予定だった準決勝は不戦敗となった。無念の思いを今冬の全国高校大会への力に変える佐賀工に迫った。 (前田泰子)

コロナ禍受け止め一体感

 5月のサニックスワールドユース交流大会。佐賀工は強豪を相手に体を張ったタックルで真っ向勝負を挑んだ。優勝した東海大大阪仰星に準々決勝で21-29で敗れるなどして5位だったが、全国トップのチームと力試しができたことが何よりも楽しかった。

 3月29日の全国高校選抜大会の準決勝。試合前の朝に思いも寄らない知らせが届いた。19大会ぶりの準決勝進出。楽しみにしていた東福岡との対戦だった。ウオーミングアップでそれぞれの動きを確認した後、野田亮校長から連絡が入った。

 「実行委員会からの辞退勧告があり、残念ですが校長として受け入れました」。報告を聞き、泣いている選手もいた。「せっかく東福岡と対戦できる機会だったので、去年(の全国高校選抜大会で)負けた雪辱をしてやろうと気持ちも上がっていたので」と舛尾主将は全員の気持ちを代弁する。

 準々決勝の対戦相手だった国学院栃木から複数の体調不良者が出て、コロナ感染が疑われたため、佐賀工も「濃厚接触」とみなされての辞退勧告。佐賀工から感染者は出なかった。「大会前にそんな規定はなかった。準々決勝で体調不良者が出て、急きょ実行委員会から連絡がきて『佐賀工が該当します』と言われたんです」と枝吉監督は今でも悔しさが消えない。戦いの場を奪われた選手には「負けて帰るわけじゃない。自信を持って帰ろう。負けずに帰るという気持ちが大事だ」と声をかけた。

 無念の辞退になったが、佐賀に戻ると「ベスト4なんてすごいね」といろいろな人から声をかけられた。全国4強は選手の自信になり、冬に向けてチームは大きく変化した。「みんなで目指すことが定まって練習意識が高まりました」と舛尾主将は一体感を感じている。全国の強豪を相手に1対1で当たり負けないこと。全員で体を張ることをテーマに掲げ、食事やトレーニングに一層力が入るようになった。

 コロナ禍で練習や対外試合がままならない状況は今後も続くかもしれないが「今の時代だから受け入れるしかないです」と舛尾主将は受け止める。春の悔しさを晴らす舞台は冬の花園。全国上位を目指し、前進していく。

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