国境を越えた北斎(上) 在世中から海外魅了

 九州国立博物館(福岡県太宰府市)で特別展「北斎」が開催されている。葛飾北斎(1760~1849)と海外との関わりについて、同館主任研究員の畑靖紀氏に紹介してもらう。

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 江戸の人々の圧倒的な支持を得てヒット作を連発した北斎。代表作は、すでに彼の在世中から日本だけでなくヨーロッパでも紹介されていた。例えば「北斎漫画」の「力士」。さまざまな組み手を描き分けて人気の高いこの場面は、ドイツ人医師シーボルトがライデンで刊行した「日本」の挿図に転載された。出版は「北斎漫画」三編のわずか18年後の1833年。このころ北斎はもっとも充実した制作を展開し、「冨嶽三十六景」で世間の注目を集めていた。富士山の連作は、後にドビュッシーやゴッホなど西洋の芸術家を魅了する。しかし、このシリーズに先んじる「北斎漫画」は、すでに江戸時代の末期から海を越えて広く異国で愛されていた。

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