【歴史のかけらを探して 陶磁考古学(2)】雄弁な資料

野上建紀さん寄稿

 陶磁器は歴史を物語る。陶磁考古学は、陶磁器を歴史資料として扱い、陶磁器に映された人類史を明らかにする学問である。考古学と言えば遠い過去のことを研究する印象をもつかもしれないが、陶磁器が語るのは遠い昔の歴史だけではない。例えば、長崎市の江里町の一角に貝殻や陶磁片が散らばっている箇所があり、発掘調査を行ったところ、多くの近代の生活用品が出土した。その大半は飯茶碗(ちゃわん)や皿、通い徳利、すり鉢などの陶磁器であった。それらは長崎に原爆が投下される前の市井の暮らし、言い換えれば原爆によって奪われた生活を教えてくれる。...

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