たばこポイ捨て“執念の捜査” 実態記録1年、張り込み…門司の74歳、摘発に貢献

 たばこの吸い殻を道路に捨て続けた男性の摘発に貢献したとして、福岡県警門司署は20日、門司区大里新町の田川進次さん(74)に感謝状を贈った。犯人を突き止めようと約1年にわたりポイ捨ての実態を記録し続け、自ら現場にも張り込んだ田川さん。その原動力は地元を大切に思う心だったという。

 田川さんによると、たばこが捨てられていた現場は、国道3号と市道が交わる大里新町交差点の側道。近くの小学校の子どもたちや住民が通学や散歩でよく通る。3年ほど前、沿道に捨てられた多くのごみを見かね、毎朝、ごみを拾うようになった。

 「きれいにして、気持ちよく人が行き交える道路にしたい」。田川さんはポイ捨てを注意する看板を掲示。ごみは少しずつ減ったが、ある時から、同じ銘柄のたばこの吸い殻が1カ所に何本も捨てられているのが目立つようになったという。

 犯人を突き止めるべく、田川さんは2020年12月から、たばこを確認した日を記録。今年2月上旬は約10本が3日連続で捨てられており、署に通報した。同11~24日は早朝や深夜、寒い中で現場近くの電柱の影に隠れ、捨てる人物を待ち伏せした。

 署も捜査に乗り出し、同24日、現場に張り込んだ署員が、車の運転席から吸い殻を捨てた男性を確認。田川さんが証拠品として保管していたたばこから検出された唾液のDNA型が一致するなどし、署は5月18日、2月に計86本のたばこの吸い殻を捨てたとして、廃棄物処理法違反容疑で北九州市の50代男性会社員を地検小倉支部に書類送検した。

 署は、男性が今年2月までの約1年間で約1800本を捨てたとみている。男性は容疑を認め、「前日捨てた物がきれいに掃除されるのを見て、掃除をした人が悔しい思いをしていると想像すると解放感が得られた」と話しているという。

 感謝状を受けた田川さんは「人任せで街は良くならないし、何事も悪いことをしたら悲しむ人がいる。犯人が見つかってほっとした」と話した。 (笠原和香子)

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