給与・時給「安い」「上がると思わない」大半 改善に高い関心【JOD3紙合同アンケ】

 収入の増減や最低賃金(最賃)の在り方について聞く労働者向けの合同アンケートを、最賃などが低い九州の西日本新聞、熊本日日新聞、南日本新聞3紙が実施した。今の給与・時給水準が「安い」「やや安い」との回答は合わせて82・2%、今後上昇すると「思わない」「あまり思わない」の合計は77・8%に達し、労働者が不満や不安を抱えている現状が浮き彫りとなった。「千円以上」の最賃を望む割合は42・2%に上り、7月の参院選の争点として賃金改善を重視する傾向も見られた。

 アンケートは、読者の知りたいに応える西日本新聞「あなたの特命取材班」など、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる3紙のフォロワーなどが主な対象だ。5月27日~6月2日に実施し、主に九州から1540人が回答した。

 直近5年間で給与の変化を聞いたところ、正社員・正職員(公務員を含む)で「減った」(20・2%)「変わらない」(33・4%)が合わせて5割超で、「増えた」(46・4%)を上回った。契約・派遣社員だと「減った」(27・3%)「変わらない」(42・2%)がほぼ7割となり、正規と非正規に格差が見られた。

 パート・アルバイトでは時給が「減った」(12・4%)「変わらない」(42・9%)が5割超の一方で、「増えた」も44・8%。ただ「増えた」人たちは「100円未満」が77・1%に上り、全労働者に適用される最賃の毎年の緩やかな上昇分が反映されたにとどまったとみられる。

 九州7県の最賃は福岡を除き、全国最低レベルの820円台。居住地の最賃について「安い」との回答が89・4%だった。

 賃金上昇を参院選の争点として「最も重要」から「重要ではない」の5段階で尋ねた。最も重要の「5」としたのが45%に達し、続く「4」も合わせると72・9%。ロシアのウクライナ侵攻などに伴って物価も上昇しており、あらためて賃金改善に高い関心があることがうかがえた。

 経済協力開発機構(OECD)によると、2020年の日本の平均賃金は加盟国35カ国中22位。1990年からの上昇幅は約4%にとどまった。

 (竹次稔、福間慎一、蔦本幸浩)

 今回の賃金アンケートは1540人(42都道府県)から回答が寄せられました。女性が6割弱と多く、雇用形態では「正社員・正職員」48%、「契約・派遣」16%、「パート・アルバイト」30%など。主な業種は「医療、福祉」21%、「卸売、小売」10%でした。
 アンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。今回はアンケート作成などで熊本大の中内哲教授(労働法)からアドバイスを受けました。

 

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