水着姿で手招きダンス動画…公開が「合図」正体は売人 薬物汚染広がるタイ

 水着やセクシーな衣装のタイ人女性(32)が踊りながらほほ笑み、手招きする。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」には同じような動画が何本もアップされていた。どれも数十秒程度で特段目を引く映像ではないが、彼女のフォロワーは7万人を超えていた。なぜか-。

水着姿で踊る女性の動画。背後には大がかりな麻薬取引があった(タイの地元テレビ局のツイッターより)

 実は女性は薬物の売人だった。動画を公開すれば「麻薬の準備ができた」のサイン。麻薬を欲しい人が彼女にメッセージを送ることで取引が始まる。主に郵送で薬物を送っていた。昨年9月8日、警察がタイ南部のスラートタニー県で逮捕した時、彼女の手元には12万錠もの薬物があった。

 タイでは昨年、東アジアと東南アジアで最多となる覚醒剤(メタンフェタミン)の結晶22トン、その他の薬物5億9200万錠が押収された。麻薬の大量流通によって安価な薬物が広く浸透しつつある。隠語でナムケン(氷)と呼ばれる結晶の覚醒剤は過去最安値となる1グラム千バーツ(3850円)程度で取引されている。タイ麻薬取締警察によると、2019年は同2500~3千バーツで、3年で半値以下になった計算だ。

 急拡大する薬物汚染。その背景を探ると、昨年2月に起きた隣国ミャンマーのクーデターが影を落としていた。

 (バンコク稲田二郎)

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