参院選立候補者の横顔 佐賀選挙区

 7月10日投開票の参院選佐賀選挙区(改選数1)には、自民現職の福岡資麿氏(49)=公明推薦、立憲民主新人の小野司氏(45)、政治団体「参政党」新人の稲葉継男氏(46)、NHK党新人の真喜志雄一氏(31)、共産新人の上村泰稔氏(57)の5人が立候補し、論戦を繰り広げている。国政を目指す候補者の思いや人柄を紹介する。(届け出順)

厚労がライフワーク

福岡資麿氏(49歳)自民現職

 衆院1期、参院2期を務め国会議員生活は16年。2003年に30歳で初挑戦した衆院選では敗れたが「リスクを冒して飛び込んだから今日の自分がある」と若者が挑戦する気概を持つ大切さを説く。

 「政治は弱者のためにある」を信念に、厚生労働分野に力を入れてきた。20年から約1年間は自民党の厚生労働部会長を務め、新型コロナウイルス対策に当たった。介護施設で面会できない、病院で最期に立ち会えないとの悲痛な声を聞きながら、政策に生かそうと強く思った。「厚生労働分野は奥が深い。ライフワークにしたい」

 仕事が終わり、東京から佐賀空港に降り立つ瞬間は心がほっとする。「包容力があって落ち着ける場所が佐賀」と魅力を語る。

 帰宅したときに3歳の息子が笑いながら走り寄ってくる瞬間に幸せを感じる。朝の会議が早くても家族のために朝食を作るのが日課。息子が好きなパスタに、刻んだ野菜をまぜるなど栄養バランスにも気を付ける。 (北島剛)

仕事掛け持ち子育て

小野司氏(45歳)立民新人

 唐津市で生まれ育った。18歳で結婚し、長男(26)を出産。シングルマザーになり、ホテルやレストランで仕事を掛け持ちして、一人息子を育て上げた。ひとり親や女性、非正規労働者に厳しい社会を痛感し、「生活現場の声を政治に届けたい」と思うように。仕事の傍ら、立憲民主党の大串博志衆院議員(佐賀2区)の事務所スタッフとして活動を支援した。

 参院選擁立を大串氏に持ちかけられたのは今年に入ってから。「とても驚き、私でいいのかと思った」。いきなりの国政挑戦に当初は迷いもあった。千葉県の会社で働く長男に電話で相談すると「そういう話はなかなか来るものじゃない」。背中を押され、立候補を決意した。政治経験はないが「誰よりも現場を見たり聞いたりしたという自負がある」と意気込む。

 調理師専門学校卒で、料理が得意。何でも作れるという。仕事に疲れたときは旅行や映画観賞でリフレッシュ。絵を描くことも好きで、好きな音楽を聞きながらデッサンに励む。 (野村有希)

一本の動画が契機に

稲葉継男氏(46歳)諸派新人

 唐津市出身で、九州大理学部を卒業した後に上京。フィットネス関連の会社に約10年勤めた後、2013年に起業した。「自分がぜいたくをすることよりも、社会貢献できる仕事を」と数年前から福祉事業に力を入れる。

 都内で障害者やひきこもりの人などの支援施設を運営する。スタッフとして80歳超の高齢者も雇用。「何歳でも働ける社会であるべきだ」との思いがある。

 政治の世界に縁はなかったが、障害者支援の仕事を通じ、食生活や投薬のあり方などについて問題意識を持っていた。政治団体「参政党」の存在を知ったのは5月に入ってから。インターネットで一本の演説動画を見て「心が震える体験をした」。公示の1カ月前、参政党の公認候補者募集に手を挙げた。

 知人からは「地盤、看板(知名度)、かばん(資金力)がないと」と諭されたが、「もう傍観者ではいられない」と選挙に身を投じた。スマートフォンを駆使して情報発信し、古里を駆け回る。 (山下航)

初の選挙にわくわく

真喜志雄一氏(31歳)N党新人

 沖縄県北谷町出身。縁もゆかりもない佐賀選挙区で自身初の選挙挑戦だが、気負いはない。「楽しい。やったことないことをやれて、うきうき、わくわくしている」と笑顔を見せる。

 地元の高校卒業後、ダウンタウンの松本人志さんに憧れて、吉本興業の芸人養成所へ。1年間、笑いのいろはを学び、「人前でも緊張しない」度胸を身に付けた。趣味の旅行やスキューバダイビングを楽しむため、休暇が取りやすい働き方を選択。派遣社員やアルバイトとしてコールセンターで働いた。

 インターネットでNHK党の立花孝志党首などの動画を視聴するようになり、党の取り組みに共感。家族の反対もあったが、党の公認候補者の公募に応募した。選挙に臨む姿勢は他候補と一線を画す。「当選ではなく(得票などに応じて党に分配される)政党交付金が目的」と話し、佐賀県内に拠点を置かず「訴えは沖縄からネットで発信する」。

 釣りも好きで、百田尚樹さんの「日本国紀」を愛読する。 (米村勇飛)

平和への思い人一倍

上村泰稔氏(57歳)共産新人

 長崎市に原爆が投下された1945年8月、学徒動員された父親は米軍の当初の原爆投下目標地だった北九州市小倉北区の兵器工場「小倉陸軍造兵廠(しょう)」で働いていた。「もし小倉に落ちていたら私の存在もなかった」。起こりえた過去に思いを巡らせ、平和への思いを人一倍強くした。

 核兵器をなくす研究がしたいと佐賀大理工学部に進学。学内で核兵器廃絶の署名運動をする中で、運動の一翼を担う喜びを感じ、本格的に平和運動に携わろうと一念発起。北九州市の実家が共産党機関誌「しんぶん赤旗」を購読していた縁で、身近だった同党に在学中の20歳で入党した。

 国政選挙への挑戦は8回目。今回を「平和か戦争かが問われる選挙」と位置づけ、「特別に気持ちの入る選挙になる。平和を大きく訴えたい」と意気込む。

 趣味は読書で、大学3年の長女(21)は今年、公募文学賞の大賞を受賞。「娘の本を読んだり、感想を伝えたりする。読書は娘との触れ合いの時間ですね」と笑う。(岩崎さやか)


 政党の略称 自民=自民党、立民=立憲民主党、公明=公明党、維新=日本維新の会、共産=共産党、国民=国民民主党、れいわ=れいわ新選組、社民=社民党、N党=NHK党

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