福岡、北九州でも100カ所超 公園の「三種の神器」、砂場が減る理由

 「近所の公園には砂場がありません。これは地方の特色でしょうか」。金沢市の女性(48)から、北陸中日新聞の双方向報道「Your Scoop~みんなの取材班」にこんな疑問が寄せられた。調べてみると、2003~16年に金沢市内の公園15カ所から砂場が撤去され、11カ所で縮小されていた。公園の「三種の神器」と言われた砂場、滑り台、ブランコの一角が、なぜ減少する憂き目に遭っているのか。

 金沢市「緑と花の課」によると、遊具のある市内の公園約575カ所のうち、昨年末時点で砂場があるのは半分の292カ所。実際は投稿者が言うほどに砂場がないわけではない。

 ただ、新設する公園に砂場を作る事例は少なく、改修する際に撤去したため減少したという。中谷裕一郎担当課長は、砂場に犬猫のふん尿が混じり、不衛生と懸念する声が地元から寄せられていると説明する。いくつかの公園では利用されずに砂が固まり、雑草が生えているところもあった。

「きれいにし過ぎるのもどうかな」

 金沢市は昨年、「夢ある公園再生・活用計画」を策定。「同じような遊具のある公園が近接して立地している」などとして、機能分担や施設改修で地域住民に親しまれる公園に再生することを目指した。1960~70年代に整備された泉野地区の児童公園4カ所をモデルとして、地域住民を交えたワークショップを開催した。

 その結果、4カ所全てにあった砂場がなくなり、新たな遊具設置や休憩所、多目的広場などに改修される計画となった。本年度中に改修する「泉野第1児童公園」の砂場で4歳の息子と遊んでいた母親(40)は「意見が分かれると思うけど、きれいにし過ぎるのもどうかな。子どもは砂場が大好き。なくなれば、設置してある公園を探します」と話した。

 (北陸中日新聞・奥田哲平)

改修で砂場が撤去される予定の金沢市の泉野第1児童公園

少子化による利用者減、遊具の流行も背景に

 九州の砂場の状況はどうなのか。都市部の福岡、北九州の両市で、昨年までの10年間に100カ所以上が姿を消していた。

 福岡市では2012年、市内の公園1616カ所のうち、約1050カ所に砂場があったが、21年には約940カ所(公園数は1689カ所)に減った。

 市によると、まず公園内の遊具を減らす必要性に迫られたという。国土交通省が02年、子どもたちのけがを防止するため、遊具間の距離を確保するよう求めるなどの安全基準を設けた。例えば見直しの対象となったのが、滑り台の降り口に近い砂場などだった。市が募った周辺住民の声の中にも、犬猫のふん尿が砂に混じり、子どもが遊びづらいとの懸念が多くあった。

 3歳と5歳の子どもがいる福岡市城南区の主婦(34)も砂場を敬遠する。「砂にふん尿やごみが混ざっていないか心配。砂の汚れも気になり、なるべく遊んでほしくない」と話した。

宅地開発で増えている自治体も

 砂場の減少には遊具の流行もあるようだ。市公園部整備課は「滑り台にアスレチック機能が付いているようなカラフルな複合遊具が今は人気だ」という。

 同じように21年までの10年間で約130カ所の砂場が消えた北九州市。ふん尿被害を懸念する声に加え、少子化により、公園の利用者がそもそも減っていることも撤去の理由だとしている。近隣住民からの要望で、砂場を花壇に変更したケースもある。長崎市も同じ10年間で30カ所減少した。

 都市部を中心に減少する自治体がある一方で、大分市では増加していた。市によると、宅地開発が進み、公園自体の数が増えていることが要因という。佐賀、熊本、鹿児島の3市では明確な減少傾向はみられず、宮崎市は「過去と比較できるデータがない」(市公園緑地課)と説明した。

(西日本新聞・鈴鹿希英、黒田加那)

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