掠れつつ飛ぶ金の鶴 渡辺京二「逝きし世の面影」 【本のおすそわけ 川野里子】

 実家に古い塗り物の蓋(ふた)つきの吸い物椀(わん)があった。外側が黒く、内側が赤くて蓋には金色の鶴が掠(かす)れながら飛んでいた。元日の朝くらいしか見たことがない特別の食器で、かなり古かった。母が育った家でお客用として使っていたものだと言う。

 母が育った家は製材所で、職人さんや取引の人などが常に出入りしていた。それらの人々をもてなすことも...

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