「学力より大切」「教員の立場で考えて」 通知表の所見、削減に賛否

 小中学生の通知表に教員が子どもの様子を書き込む「所見」を削減することについて、西日本新聞「あなたの特命取材班」はアンケートを実施。西日本新聞meでも意見を投稿してもらいました。寄せられた100件ほどの回答や意見の一部を紹介します。

 アンケートでは「通知表の所見欄の記入について、どう考えますか」と質問。「毎学期あった方が良い」「回数が減ってもしょうがない」「保護者面談があれば、なくても良い」の三つの選択肢を設けました。

毎学期あった方が良い

 ■1学期ごとに、子どもの様子を知らせてもらうことは貴重です。所見を書くことで、先生の質の向上にもつながるのではないでしょうか。働き方改革であれば、もっと別な事務作業を減らすべきで、先生としての質の低下は避けてほしい。子どもが犠牲になる。(63歳女性/福岡市)

 ■学校は勉強するだけでなく、社会に出て行くことを目的に学ぶ場。その意味で、所見にしか書けないこともあると思う。子どもの頃、学力が悪くても所見でほめられていたら、うれしかった。親になってからも学力よりそちらの方が気になる。(38歳女性/横浜市)

 ■小学1年の子どもを持つ親です。1学期の所見をなくし「夏休み中の個人面談でお話しします」という予定でした。ところが、担任がコロナに感染し、面談は中止に。このご時世、いろいろなことが起きるので、所見を記入していただいた方が親としては助かる。(匿名)

 ■元教員。4年前に管理職で退職しました。担任をしていた時は通知表の作成が手間で、憂鬱(ゆううつ)だったことは否めません。しかし、学期末の評価をする時、子どもたち一人一人を見つめ直し、それぞれの良さを再確認していたものです。自分の指導力の反省にもなりました。教員の働き方改革は重要課題ですが、所見とは別次元です。福岡市の対応は、浅はかな判断だと遺憾に思います。(匿名)

回数が減ってもしょうがない/保護者面談があれば、なくても良い

 ■先生方は多忙です。残業代も出ないと聞きます。書類に時間をかけるより、子どもたちと実際に接する時間を大切にしてほしいです。面談でも補えます。(41歳女性/福岡県みやま市)

 ■記事を読んでいて、最近なぜ所見がなくなり、個人面談が始まったのかを理解しました。子どもの成長が確認できると思っていたのですが、先生方の負担軽減を考えると仕方なく、面談で内容が分かるのであれば良いです。ただ、わが家は共働き。面談に出る時間を確保するのが厳しいかも。(35歳女性/福岡市)

 ■夫は福岡市の小学校の教員です。夫の学校も、所見が3学期のみになりました。けれど、それが働き方改革での負担軽減とは感じていないようです。年度末にまとめて伝えなければならないので、日ごろから児童の様子や学習の習熟度などを細かく記録しているとのこと。そして、1回しか伝えるチャンスがないことへの悩みもあるそうです。教員の負担が減るということが強調されると、保護者や地域の誤解を招きます。それほどの負担減にならないという、難しい実態も知ってほしい。(匿名)

 ■教員です。通知表の所見は下書きをまず教頭に提出し、指導が入って書き直します。校長に提出し、再度指導が入って書き直すと完成です。校長と教頭の指導の方針がずれていることもあります。学校が変われば書き方の方針が変わるなど、過去の経験が生かされないこともしばしばです。実のところ、所見には子どものプラス面を書くことが原則となり、マイナス面はかなりぼかした表現にします。所見には書ききれない子どもの実態があることも、保護者には理解してもらいたい。(匿名)

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所見欄、あなたの思い出

 アンケートでは「あなた自身が小中学生の時に所見欄を読んでうれしかったこと、保護者として子どもの所見欄で参考になったこと」など、心に残るエピソードも聞きました。

 ■中学3年の時の通知表に、学校での様子だけでなく、先生がメッセージを一言添えてくれたことがうれしかった。「夢をかなえることだけでなく、ひたむきにその夢を追う姿こそ美しい」。担任の先生を今も尊敬しています。(38歳女性/福岡県大野城市)

 ■クラスで頑張ったことなどほめられる内容があると、鼻高々で親に見せました。わが子の通知表では、子どもをほめてあげるきっかけになると思います。(男性/福岡県糸島市)

 ■家とは違う様子で学校生活を過ごしている姿が、所見で垣間見えるのがうれしいです。(42歳女性/福岡市)

 ■学校での様子は「◎」「◯」「△」だけでは分からない。掃除や学校生活への姿勢、友人との関わり方など、頑張っていることを見てもらっていることが分かり、私としては安心して学校生活に取り組めた。(39歳女性/福岡県大野城市)

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