「家族は生きているか…」ウクライナから避難、西南女学院大学生の苦悩

 戦禍を逃れてウクライナから日本に避難し、科目等履修生として西南女学院大(北九州市小倉北区)で学ぶ女子学生2人が、「ウクライナで続く戦争について、多くの人に関心を寄せてほしい」と報道陣の取材に応じた。日本人の支援に感謝を示すとともに、ロシアの軍事侵攻が始まった際の状況や避難の苦労を語った。

 2人はマリヤ・ダシュケビッチさん(20)とナタリア・センさん(20)。ウクライナの首都キーウ(キエフ)の大学で日本語を学ぶ同級生だ。北九州市内に暮らすマリヤさんの知人夫妻を頼り、3月末から4月初めにそれぞれ来日した。現在はアルバイトをしながら、週3日ほど西南女学院大で授業を受ける。日本での生活も落ち着き始めたことから、7月15日、同大で取材に応じた。

 日本までの道は険しかった。ロシアがウクライナに侵攻した2月24日、キーウの大学寮にいたナタリアさんは午前5時ごろ、部屋の扉をたたく音と「今すぐ逃げなさい」との声で目を覚ました。身支度してすぐに出発したものの、夕方までバスも電車も見つからない。友人の父親の車に乗せてもらい、キーウから避難。道中、200~300メートル先にロシア軍の飛行機が墜落した。その光景と音が頭に残り、しばらく夜中に目が覚める日が続いたという。

 マリヤさんは北西部コロステンの実家にいた。ロシアの侵攻後、さらに西部の友人宅に避難しようと列車に乗ったが、ロシア軍の飛行機が近づくたびに列車は止まった。駅は人であふれかえり、「第2次世界大戦のようだと思った」という。兄はロシアとの国境近くで兵士として戦闘に加わっている。「家族がみんな生きているのか心配」と話した。

 言葉の壁や書類手続きなど苦労は多いが、2人は夫妻宅を離れてアパートで共同生活を始めた。夫妻らに支えられながらキャンパスライフを送る。キーウの大学の期末試験もオンラインで受け、3年生を修了した。ナタリアさんは「普通の大学生でいられることで気が紛れる」と話す。

 一方、ウクライナ東部や南部では激しい戦闘が続く。2人は自分たちが情報を発信することで、ウクライナへの支援につなげたい、と取材を受けた理由を説明。ナタリアさんは「ひどい状況が続いている。何とかしてほしいという思いでいっぱい」と涙ぐんだ。

 マリヤさんは、戦闘が激しいマリウポリやブチャの避難民から、ロシア兵が親の目の前で子どもを殺した話を聞いたという。「ウクライナでは、本当に怖いことが日常的に起きている。一般市民が命を落としていることを多くの人に知ってほしい」と訴えた。

 西南女学院大は2人の避難生活を支える「ウクライナ学生支援募金」を受け付けている。振込先は「みずほ銀行北九州支店、普通1701832」。口座名義は「学校法人西南女学院」。 (後藤希)

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