「助産制度」利用者支援を充実 家庭問題の相談も 済生会福岡総合病院

周産期カンファレンスで意見交換する済生会福岡総合病院のスタッフ 拡大

周産期カンファレンスで意見交換する済生会福岡総合病院のスタッフ

 経済的理由により病院での出産が困難な女性に、国と自治体が費用を助成する「助産制度」。その利用者へのサポートを充実させるため、済生会福岡総合病院(福岡市中央区)が家庭問題への配慮にも力を入れている。生活環境が赤ちゃんの健康にも影響すると考え、小児科医が出産前から関与。出産後まで切れ目なく支える仕組みで、他の医療機関の参考になりそうだ。

 助産制度は児童福祉法に基づき、生活保護世帯などが対象。同病院は実施施設の一つとして福岡市から認可され、年間40人ほどが利用している。経済的困窮のほか、望まない妊娠、未婚、若年、パートナーや親が非協力的-といった問題を抱えたケースが多い。

 病院独自のサポートを提唱したのは、小児科医の八坂知美さん(45)。2010年から着手し、小児科医、産婦人科医、心療内科医、内科医、助産師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど院内の多職種でつくるチームで取り組んでいる。

 通常の医療サポートのほか、初診の段階で医療ソーシャルワーカーが面接。パートナーや親との関係などについて質問し、得た情報をチームで共有する。さらに各メンバーが利用者と接する中で情報を増やし「周産期カンファレンス」で対応を協議。心に問題があれば臨床心理士が対応し、家庭環境が厳しくて養育支援が必要な場合は自治体に対策を依頼することもある。

 小児科医は通常、出産前に利用者と接することはないが、親しみを持ってもらうために出産前に面会。その上で乳児の健診や予防接種で来院してもらい、母親の悩みなどを聴いて支援を継続している。

 八坂さんは「子育ては大変なのに『母親1人だけ』の状況に追い込まれている例は多い。私たちには、子どもは社会全体で育てるとの思いがある」と話している。


=2014/07/11付 西日本新聞朝刊=

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