【働くカタチ】シェアオフィス 広がる仕事 賃料割安 起業後押し 主婦手軽に、人脈づくりも

 一つの仕事場を共同で使う「シェアオフィス」。賃料が割安で済むため、起業家やフリーランスを中心に利用が広がり、九州でも北九州市や佐賀市に登場している。「自宅兼事務所」に抵抗感のある“兼業主婦”も注目しており、働き方の幅を広げるのに一役買っているようだ。北九州市にあるオフィスを訪ねた。

 JR八幡駅から徒歩3分のビルに今年5月、「ダイヤモンドシェア」が開業した。個室が二つあり、奥に机や椅子が並んだフリースペースがある。インターネット環境が整い、飲み物も準備されていた。

 個室をのぞくと、情報誌のライターをしている女性(51)が資料に目を通していた。普段は自宅で仕事をしているが、家事が気になって集中できないことがあり、時々利用している。業務が行き詰まったとき、他の利用者にアドバイスをもらうこともあり「孤独になりがちなフリーランスにお勧めです」と話す。

 運営するのは、企業研修や子育て情報サイトを手掛ける「コ・リード」(北九州市)。開業以来、延べ150人以上が訪れているという。

 会員制で、午前9時から午後10時まで一年中、利用可能。1万800円の登録料を払い、月額の利用料はサービス内容によって1万9440円と1944円の2種類がある。オフィスの住所で会社登記ができ、郵便物も預かってくれる。

 社長の本山晴子さん(43)によると、起業に関心のある母親たちと接する中で「自宅を顧客に公開するのに不安があり、起業をためらう人が多い」と感じたことがきっかけで開業したという。

 自宅でネイルサロンを開いて8年という中川順子さん(37)も出張サロンとして活用している。今後、男性向けの爪のケアも始める計画で「男性が自宅に出入りすると家族に迷惑が掛かる。そういう心配もなくなり仕事の幅が広がりそう」と中川さん。女性の起業支援を目指している本山さんは「自分に合った利用の方法を見つけてほしい」と呼び掛けていた。

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 会社員も活用している。小倉北区の「コワーキングスペース秘密基地」では、仕切りのない空間に約50席が並び、各自、パソコンを開いて仕事に励む。

 運営する岡秀樹さん(38)は「カフェだと騒々しくて長居しにくい。会社以外に仕事に集中できる“出張オフィス”が求められている」として今年初めにオープンさせた。会員でなくても気軽に立ち寄れる。利用料は1日千円。

 コワーキングとは、異業種が仕事場を共有して働くこと。この「秘密基地」では自営業者の利用も多く、営業職も目立つ。好きな場所に座れることもあって、岡さんは「人脈を広げるチャンスにもなるのでは」と話していた。

 ▽ダイヤモンドシェア=093(616)1994▽コワーキングスペース秘密基地=093(967)1003


=2014/07/12付 西日本新聞朝刊=

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