【働くカタチ】「アズママ」 会員1万人、九州でも 広がる「子育てシェア」 「顔見知りづくり」をサポート

アズママが主催した親子交流イベント。ママサポーターが子どもと遊んでいる間に、講座を通じ親同士が交流を深める=千葉県我孫子市の「あびこショッピングプラザ」 拡大

アズママが主催した親子交流イベント。ママサポーターが子どもと遊んでいる間に、講座を通じ親同士が交流を深める=千葉県我孫子市の「あびこショッピングプラザ」

 ■新訳男女■ 
 ●預け合い、謝礼明確化し気軽に
 
 急な残業で保育所に迎えに行けない-。そんなときに近所のネットワークで頼り合える「子育てシェア」が広がり始めた。インターネットを活用した相互支援コミュニティー「AsMama」(アズママ=横浜市)。会員登録し、実際に顔見知りになった親同士が一時預かりや送迎を依頼し合う仕組みで、九州でも会員が増えつつある。

 千葉県我孫子市の大型商業施設。ここで月2回、アズママが親子交流イベントを開いている。育児講座を通じ、近所の親同士を引き合わせるのが目的だ。

 「いろんな人の手を借りながら笑顔で子育てできたら楽しい。ぜひここでつながり、頼り先を広げてください」。事業推進チームの平尾麻衣子さん(38)が参加した9人に呼び掛けた。

 2児を育てる女性(34)は3回目の参加。前回、仲良くなった女性と交流を続けているという。「実家が東北で親には頼れない。いざというときは助け合おうと約束しています」

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 アズママは昨年4月から子育てシェアを始めた。住所や子どもが通う保育所などの情報を登録すると、自動的につながりのある人同士がグループ分けされる。助けを求めると、グループにメールが一斉送信される仕組みだ。

 ただ、顔見知りというだけでは気軽に預けにくい。そこで1時間500円(保育士など有資格者は100~200円加算)と謝礼を明確化。けがに備えて賠償責任保険もついている。

 会員は全国で1万人を超えた。訓練を受けた「ママサポーター」も約400人おり、24時間以内に支援者が見つからない場合は介入する。解決案件は月平均100件で、8割以上のマッチング率という。

 1年前から週1回ほど預かっている東京都足立区の長澤育美さん(32)には1歳半の子がいる。「自分の子を見ながら都合がつくときに預かれる。子ども同士も遊んだことのある相手なので楽しそう」と話す。

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 アズママ社長の甲田恵子さん(38)はかつて「会社人間」だった。29歳で長女を出産した後もベビーシッターを活用しながら、必死に仕事と両立してきた。

 ところが、2009年にリーマン・ショックの影響で人員削減に遭い退社。その後に通った職業訓練校で、同じように両立に悩む親たちに出会った。一方で社会と関わり、役に立ちたいと願う主婦が多いことも知った。

 双方を結びつけられないか-。そんな思いを胸に起業し、街頭調査で千人から生の声を聞いて「子育てシェア」を考案した。互助が基本のため会費は無料で、謝礼からも仲介料は取らない。イベント時の企業宣伝費などで運営している。

 鹿児島県霧島市でも山口ひとみさん(36)が普及を目指す。4児の母で9月に出産予定。「子育ては、助けてくれる、頼れる手段を知っていればぐっと楽になる。もっと広げたい」と力を込める。

 アズママは、今月28日に佐賀県みやき町と福岡県久留米市、29日に同県宗像市と福岡市で説明会を開く。申し込みはホームページ(http://asmama.jp)から。


=2014/07/19付 西日本新聞朝刊=

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