高齢者「低栄養」に注意 自治体が訪問指導も 肉や魚摂取を

1人暮らしの多和博恵さん(左)の自宅を訪れ、食生活について助言する食育アドバイザーたち 拡大

1人暮らしの多和博恵さん(左)の自宅を訪れ、食生活について助言する食育アドバイザーたち

「肉モヤシラーメン」

 高齢者の「低栄養」が問題視されている。年齢を重ねるとともに食欲が落ちたり、料理が面倒になったりして、知らず知らずのうちに低栄養状態に陥ってしまうという。栄養状態が悪化すると老化を早め、病気のリスクも高まるため、栄養指導に乗り出す自治体も出ている。厳しさを増す暑さを乗り切るためにも、食生活を見直してみませんか。

 「昨日は何食べた?」「魚を食べてないけど、嫌い?」「牛乳が嫌いやったらヨーグルトを食べてみて」…。7月中旬、北九州市小倉北区にある多和博恵さん(93)の自宅を、食生活改善推進員の丹波地憲子さん(67)ら5人が訪れた。

 多和さんの身長と体重を測り、食事内容や食欲などを質問していく。多和さんは夫の死後13年間、1人暮らし。自炊しているが、牛乳や果物は好んで買わないと打ち明けた。丹波地さんたちは1日で肉、卵、油、緑黄色野菜などの10食品群を食べたかチェックする用紙を手渡し「バランスよく栄養を取って長生きして」と助言した。

 北九州市は7月から、75歳以上の独居・高齢者世帯で痩せ気味の人の自宅に「食育アドバイザー」を派遣している。研修を受けた食生活改善推進員796人をアドバイザーに認定。高齢者約250人の自宅を10月までに4回程度訪れ、食生活をチェックしながら栄養指導をする。

 市健康推進課係長の大村美智子さん(56)は「市民の健康寿命を延ばすとともに、自宅に閉じこもりがちな高齢者との接点をつくる効果も期待したい」と話す。

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 全国で料理教室を開くベターホーム協会は「つるかめ食堂 60歳からの健康維持レシピ」を出版するなど、低栄養を防ぐ情報を発信している。「肉や魚を毎日食べる」「牛乳を毎日飲む」など、健康長寿のための6カ条も提唱する。

 高齢者は食欲やかむ力が落ちたり、配偶者を亡くして1人暮らしになると料理をしなくなったりして、栄養が偏りがちになる。また「粗食が健康的」「肉は食べない方がいい」など、生活習慣病の予防を重視した中年期の意識を引きずっていると、必要なタンパク質やエネルギーを摂取できないという。食生活チェック表=表参照=で「はい」が多いほど栄養が不足したり、偏ったりしている可能性が高い。

 高齢者でも上手にタンパク質やエネルギーを取るにはどうしたらいいか。同協会福岡事務局で講師を務める町田多佳子さん(60)によると、肉はそぎ切りにする▽魚は大根おろしやかたくり粉と組み合わせる▽野菜は繊維を断ち切る向きに切る-など、ちょっとした工夫で食べやすくなる。

 料理が面倒なときは電子レンジを活用しよう。お薦めレシピ「肉モヤシラーメン」は簡単な昼食にぴったり。町田さんは「高齢になったら意識を切り替えて、積極的に肉や魚を食べてほしい」と呼び掛けている。

 ベターホーム協会は来年に高齢者向け料理教室を開催予定。福岡事務局=092(714)2411。

 ●お薦めメニュー 「肉モヤシラーメン」

【材料2人分】ラーメン(市販、好みのもの)2食分/モヤシ1袋(200グラム)/豚肉(薄切り)80グラム/A〔しょうゆ大さじ1/2、ごま油大さじ1/2〕/コショウ少々

【作り方】(1)モヤシは長ければ半分に切る。耐熱皿にのせる(2)豚肉は長さ3~4センチに切り、Aをもみ込む(3)モヤシの上に肉を広げてのせる。ラップをし、電子レンジ500ワットで4~5分加熱する(4)ラーメンを作り(3)をのせる。コショウを振る。


=2014/07/24付 西日本新聞朝刊=

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