【こんにちは!あかちゃん 第21部】さぁ!新制度 選び方は<3>「短時間」利用どうなる

 福岡市早良区の認可保育所に長男(3)を預けながら、自宅で生後4カ月の長女を見る母親(31)は数日前、耳にした園長の言葉が頭を離れない。「『短時間』に認定された親が、退園することにならなければいいけど…」

 《新制度では、幼稚園や認定こども園(幼稚園部分)の利用時間は「原則4時間」でこれまでと変わらない。この時間プラス、定時後も夕方まで園児の面倒を見る「預かり保育」は「一時預かり」に名称が変わるが、預かりの時間はこれまでと同様、各園で設定できる。大きく変わるのは認可保育所だ。親のフルタイム就労を想定した「保育標準時間」(最長11時間)とパート勤務を念頭に置く「保育短時間」(最長8時間)の二つに区分される。認可保育所に入れる優先順位が低かった短時間勤務の保護者に「保育短時間」という“別枠”を設けることで、保育の機会均等を図るためだ》

 「短時間」に認定される保護者の就労時間の下限は、1カ月当たり48~64時間の範囲で市町村が定める。おおむね1日4、5時間の勤務を週3、4日働く仕事が対象だ。

 冒頭の母親は長女の出産を機にフルタイムで働いていた会社を退職。来春から働きたいと考えているが「週2、3日のパートから始めたい」。もちろん、今通う保育所にきょうだいとも預けるのが前提だ。

 ただ、いくら短時間で働く保護者向けに別枠を設けても、子どもを預かる受け皿の総枠が増えないと入れない。長男が通う認可保育所は既に、定員オーバー。市内の認可保育所はどこも同じ状況だ。従来の市町村による利用調整では、きょうだい児は同じ保育所に入れるよう優先されてきたが、新制度で短時間の別枠に認定されるとどのような利用調整になるか不透明。「自宅に近い今の園に残るためには無理をしてでもフルタイムで働かないといけないのか…」。10月から始まる保育所の説明会を前に、不安を募らせる。

 《新制度で新たに設定される「短時間」。その8時間を何時から何時までにするかは各保育所に任される。保護者の勤務時間や通勤、送迎時間はまちまち。保護者の間で不公平感が出ないようにするため園長たちは頭を痛める》

 夜遅くまで預けられる夜間保育所は、保護者の勤務時間帯に幅がある場合が多く、保育時間の線引きが特に難しい。

 福岡市博多区の第2どろんこ夜間保育園では現在、午前11時~午後10時まで預けられる。この中でどのように短時間(8時間)を設定すればよいか。天久薫園長は「子どもを同じ8時間預けているのに、送り迎えが設定時間帯からはみ出した保護者は延長保育料を払わないといけない」と悩んできた。

 とはいえ、今月中に決めてしまわないと10月の説明会に間に合わない。実際の利用状況を精査しながら、午前11時~午後7時に決めた。「これまでは11時間の枠内で子どもを預かっていたのに突然、延長料金を取ることができるだろうか。不満が出れば、個別に対応していかなければならないかもしれない」と天久園長は懸念する。


=2014/09/25付 西日本新聞朝刊=

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