弱火調理 食材おいしく 福岡の山本さん親子 レシピ本好評

一緒に台所に立つ料理研究家の山本千代子さん(左)と智香さん 拡大

一緒に台所に立つ料理研究家の山本千代子さん(左)と智香さん

山本さんが出版したレシピ本

 素材を弱火で調理する「山本式調理法」を考案した福岡県久留米市の料理研究家、山本千代子さん(75)が監修し、長女の智香(ちか)さん(46)が執筆した本「ラクなのに美味(おい)しい 驚異の弱火調理法」(三空出版、1296円)が好評だ。母が築いた調理法を娘がまとめた“親子の集大成”。「簡単に作れて、おいしく、体にも環境にも優しくありたい」という2人の思いが込められている。

 山本式調理法は(1)予熱していない鍋に油を引き、塩を振る(2)素材の一部を入れ、塩と油を鍋底全体になじませる(3)素材を全て入れ、ふたをする(4)弱火にして火が通るまで、ふたを開けたり混ぜたりせずに加熱する‐が基本。ふたをして弱火で加熱すると素材が酸化しにくく、素材本来の味が引き出され、調味料が少なくて済むという。山本式の基本から応用までの約70のレシピを紹介。5月に出版し、既に1万2千部が売れている。

 千代子さんは自宅で料理教室を開き、ごく普通の料理を教えていた。あるときふと、台所の換気扇に付いた油汚れを見て疑問に思った。「料理した油がこんなに汚れるなんて、体にいいのかな…」。薬学博士の故渡辺武さんに東洋医学の考え方を教わり、独自の調理法を考案。「体調がよくなった」「ここに来ると元気になる」と口コミで広がり、教室は48年続いている。

 そんな母を、智香さんは大学卒業後からずっと支えてきた。どんなに体調が悪くても教室の準備をする母の苦労を、間近で見て育ち「料理の先生になろうなんて全く思わなかった」が、千代子さんがぎっくり腰になったのを機に料理の道に入った。

 体調が悪そうな人を見つけてはご飯を食べさせたり、疲れている人が千代子さんの料理を食べると満足したり。天真らんまんな母としっかり者の娘。衝突することもあるが、智香さんは千代子さんに「どんな人にも一生懸命になって元気にさせるのはすごい」と尊敬の念を抱く。

 千代子さんは智香さんに対し「これからも人を大事にして、培った世界を広げていってほしい」と思う。「でもまずは健康であってほしい」。母親の顔をのぞかせた。


=2014/09/30付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ