男性介護者向け料理教室 一緒に作って、つながる みんなで笑って、一休み 九大院生が福岡市で開催

和やかな雰囲気の中、調理をするケアメンズキッチンの参加者たち 拡大

和やかな雰囲気の中、調理をするケアメンズキッチンの参加者たち

 「ケアメンズキッチン」と題した料理教室が10月中旬、福岡市で開かれた。参加したのは、妻や親などを介護する男性(ケアメン)たち。厚生労働省によると、今や同居する介護者の3割が男性だ。男性たちはどんな思いで参加しているのだろう。

 「蒸れると蒸すの違いは?」。福岡市南区にある料理教室「テシマ デリアンドスクール」。三角巾とエプロン姿の50~70代の男性9人が、講師の話を熱心に聞き、質問していた。

 この日のメニューは、冬野菜の重ね蒸し。講師が「野菜はまとめて切ってポリ袋に入れておけば、他の料理に使えて便利ですよ」と助言すると、1人が「数年前にカレーを作ったら、作りすぎてしばらく毎日カレーになった」と失敗談を披露し、笑いを誘った。

 調理に入ると皆、真剣な表情に。慣れた手つきの人もいるし、そうでない人もいるが、講師や参加者同士で会話をしながらの調理は楽しそうだ。料理が出来上がって食べ始めると、さらに笑顔が広がった。

 参加した同市東区の男性(76)は1年ほど前に亡くなった妻を8年間介護した。1人で食事をすることが多いため、ここでみんなで笑って料理や食事をするのが楽しいという。

 「料理は難しかね。よか勉強になった」と話すのは、認知症の妻(71)を介護する福岡県須恵町の男性(72)。「認知症は先が見えずつらい。ここでは介護の先輩たちに生きたアドバイスをもらえる。つらかったら涙は出しんしゃい、とか…。介護をしているとこもりがちになるから、こういう機会はありがたい」と涙を浮かべた。

 主催したのは九州大大学院生の西尾美登里さん(41)。男性介護者について研究する中で、家事ができず困っている人が多いことに気付いた。男性は地域とのつながりが薄く、介護の悩みを1人で抱え込みがちという。まずは料理の技術を身につけ、家族の会などとつながってもらおうと、九大の教育機関から助成を受け「男性介護者と支援者の全国ネットワーク九州ブロック」に呼び掛け、9月から月1回開いている。西尾さんは「介護をする人がくつろげる場を増やしていきたい」と語る。

 教室は今月21日と来年1月にも開く。定員は各回10人。参加費千円。


=2014/11/04付 西日本新聞朝刊=

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