【こんにちは!あかちゃん 第25部】少子化 わたしの意見<1>婚活だけでは限界 少子化ジャーナリスト 白河桃子さん

 昨年1月にスタートした「こんにちは!あかちゃん」。望む人が産みやすく、幸せに子育てできる社会を目指し、さまざまなテーマで展開してきました。最終回の第25部では5人に聞きました。少子化社会、あなたの意見は?

 -「婚活」「妊活」という言葉を発信し、世間にブームを起こしてきました。

 「7割くらいの人が何となく思っていることに名前がつくと広がる。語れなかったことを『話してもいいんだ』と思ってもらえるような、ポジティブ(前向き)な言葉だと、行動を促せるのかなと思います」

 -少子化が指摘されて四半世紀。対策は進んでいません。

 「少子化は、長年、女性や子どもの問題とされてきた。過疎化などでまず地方自治体が結婚支援や定住促進策に乗り出し、ようやく国の問題と認識されるようになってきた。『産む』には、四つの障壁がある。妊娠の正しい知識がないこと、結婚、仕事と子育ての両立。この三つが若いうちに越えられないと、加齢による不妊という第4の障壁が出てくる」

 -どう乗り越えたらいいか。

 「正しい妊娠の知識がないと、ライフプランが立てられない。若い世代への情報提供が大切で、学校教育の中できちんと教える必要がある。また、ドイツの妊娠葛藤相談所のような、妊婦の相談機関があったらいい」

 「よく『出会いがない』というが、男女で意味が違う。男性は外に出ていかないから本当に出会えない。女性は希望の人に出会えない。受け身では何も起きない時代なので行動する、それが『活』の意味です」

 -「婚活には限界がある」とご自身も指摘しています。

 「養ってほしい女性と、養える男性のバランスが崩れているから。結婚を増やすには、共働きしかない。福井県がそのよい例で、共働き率、3世代同居率、出生率が高い。結局、個人年収は低くても、世帯年収は高くなるんです。これからは持ち寄って暮らす時代。稼ぎ手が1人ではないので、転職や留学などチャレンジもしやすい」

 -そのためには、両立できる環境が大切になってくる。

 「若い世代向けの講座では、『自活女子』『自炊男子』をキーワードとして伝えている。女性が働くこと、男性の家事育児が当たり前という意識を育てる必要があります。ただ、個人がいくら頑張っても難しい。企業が動かないと。育休での欠員や、子育て中の短時間勤務をマイナスととらえる企業は多い。子どもは未来のお客さんです。長い目で見たら、少子化対策への投資は負担ではなくプラスです」

 「非正規雇用で、妊娠したとたん、雇い止めになったという話をよく聞く。女性は不安だと産めない。安定した、両立可能な、継続できる雇用を整えることが、最も重要です」

 -今すぐ出生率が上昇したとしても、人口減は止まらない。

 「生まれた子ども一人一人を社会が見守り、しっかり育てることも大切な少子化対策だ。納税者になれば税収が入るが、生活保護になれば逆に社会保障費が出ていく。妊娠期から親子を支えていく仕組みや、どんな家庭に生まれても教育に差が出ないような制度をつくっていく必要があります」

 ▼しらかわ・とうこ 東京都出身、53歳。山田昌弘氏と共著の「婚活時代」が話題に。相模女子大客員教授。国の「新たな少子化社会対策大綱策定のための検討会」メンバー

 ●メモ=未婚化・晩婚化

 生涯未婚率は、1980年には男性2.6%、女性4.5%だったが、2010年には男性20.1%、女性10.6%へ上昇した。また、平均初婚年齢は、12年で夫が30.8歳、妻が29.2歳。この30年で夫は3歳、妻は4歳上昇している。

 第1子出産時の母親の平均年齢は、1985年に26.7歳だったが、2013年には30.4歳に上昇。女性の妊娠率は年齢とともに低下する一方、流産率は上がるとされる。


=2014/12/16付 西日本新聞朝刊=

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