九博 再び「美の国 日本」 開館10年、原点企画を復活

 「美の国 日本」再び‐。九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)が開館10年を迎える10月、42回目の特別展を、第1回の開館記念特別展「美の国 日本」と同名で開催する。「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」という基本理念に立ち返り、九博の存在意義を再確認する試み。日本最古の四天王像の一つ、奈良・法隆寺の国宝「多聞天立像」(7世紀)=写真=など対外交流の中で生まれた日本美術の名品を公開する。

 古来、九州はアジア諸国への窓口だった。この歴史を踏まえ、岡倉天心は明治32(1899)年、九州博物館の必要性を説いた。官民の誘致運動が結実して2005年10月15日、全国4番目の国立博物館として九博が誕生。日本人の特性である、美へのこだわりをテーマに特別展「美の国 日本」が企画された。

 今秋の「美の国 日本」は、縄文時代から鎌倉時代の日本美術を扱う。百済から伝わった仏教の黎明(れいめい)期、中国の影響を受けた平安宮廷文化などを紹介する。多聞天立像のほか、神戸市立博物館の「桜ケ丘5号銅鐸(どうたく)」や京都・仁和寺の「孔雀(くじゃく)明王像」など数々の国宝の公開を予定している。

 第1回の特別展は正倉院宝物を目玉に国宝7件、重要文化財30件などを並べた。43日間の来場者は約44万人で、九博の特別展で過去2番目に多い。三輪嘉六館長は「今年の『美の国 日本』を次の10年に向けたスタートと位置づけ、今後も九博の節目を飾るブランドとして確立したい」と話した。


=2015/01/03付 西日本新聞朝刊=

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