LGBT学ぶ機会を 福岡市でフォーラム 学校での対応遅れ

「思春期の性」について語り合うフォーラムの参加者たち 拡大

「思春期の性」について語り合うフォーラムの参加者たち

 「思春期の性」を考えるフォーラムが福岡市で開かれ、医療や教育現場の関係者らが課題を語り合った。学校などで性的少数者(LGBT)について学ぶ機会が乏しく、当事者の子どもが生きづらい環境に置かれていることが浮き彫りとなった。

 フォーラムは同市のNPO法人チャイルドライン「もしもしキモチ」などが昨年12月に実施した。登壇した同性愛者で九州大学大学院生の真野豊さん(33)が、苦しかった学校生活を振り返った。

 「小学生になると男子は『俺』を使い始めるが、自分はどうしても言えなかった。ホモやオカマと呼ばれるのも怖くて、物を落としても『それ私の』という一言が言えませんでした」

 「自分」を表す言葉が見つからない。男女別々に遊ぶようになると、どちらのグループにも入れず孤立感を深めた。中学、高校でも異性愛者を演じ「自分を肯定できず、早く世の中から消えたい」と思っていた。

 真野さんは、東京の市民団体が行ったLGBT当事者の学校生活実態調査(2013年)を紹介した。子どものころ、当事者であることを「誰にも話さなかった」人は39%。「学校が嫌になった」(43%)、「自殺を考えた」(32%)など深刻な影響が出ていると訴えた。

 真野さんは大学卒業後、ゲイと公表して中学校教員を6年間務めた。「かつての自分のように肩身の狭い思いでいる子がいるかもしれない」と社会で活躍するLGBTのモデルを示す狙いがあった。現在は大学院で教育制度などを研究する。

 特に問題視するのは学習指導要領が性の多様性に配慮していない点。「例えば小学校の保健では『異性への関心が芽生えること』を教えるよう指示している。異性に関心が持てない子は自分が異常だと思って孤立し、進路にまで影響する」。LGBTへの理解不足が差別や偏見を招いているとして、全ての子どもに対して性の多様性を教育する必要があると強調した。

 フォーラムでは、同法人が昨年、福岡県内の中高5校で行った調査結果も報告。「自分の性別がしっくりこないと感じたことがある」と答えた中学生は20%、高校生は13%だった。電通総研の7万人調査では、5・2%がLGBTという結果だった。同法人の山田真理子代表理事は「決して少なくない数字なのに、教育現場の対応は遅れている」と指摘した。


=2015/01/27付 西日本新聞朝刊=

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