介護報酬改定Q&A<中>在宅、認知症への加算を拡充

 4月からの介護報酬改定に伴い、介護保険サービスを利用している人たちの負担も変わります。「施設から在宅へ」という国の方針に伴って、在宅介護を支える通所介護(デイサービス)や訪問介護などの「在宅サービス」は、サービスを充実させれば事業者の報酬が増える「加算」が拡充されました。今回は在宅介護向けサービスを検証します。

 -特別養護老人ホーム(特養)などの施設サービスは、介護報酬の引き下げとともに入所者負担が減るようだけど、在宅サービスはどうなるの?

 例えば、高齢者が日帰りで食事や入浴、機能訓練などを受けるデイサービス。小規模型では基本報酬が最大9・8%引き下げられたため、同様のサービスを受けようとすると、4月から利用者負担はおおむね減ります。

 厚生労働省の試算では、要介護3の人が1日8時間、月10回利用した場合、利用者負担は現在より月165円安くなります=イラストでは「4月から(1)」を参照。

 ただ、認知症の研修を受けた職員を確保するなど認知症ケアを充実させると「認知症加算」、要介護度が中重度の人を受け入れる体制を整えれば「中重度者ケア体制加算」が新たに設けられました。事業者がこうしたサービスを充実させれば介護報酬は増え、利用者負担も連動して増えます。先ほどのケースだと、利用者負担は現在より月927円増えることになります=イラストでは「4月から(2)」を参照。

 -国は在宅介護を推進しているようだけど、要介護度が重くなったら施設に
入るしかないのでは?

 在宅の重度者にも対応できるサービス普及を目指し、報酬が上乗せされたサービスがあります。

 「通い」を中心に「訪問」「宿泊」のサービスを組み合わせる「小規模多機能型居宅介護」は、訪問体制の強化、みとり介護のための看護師らとの連携などで報酬が増えます。この場合、要介護3の人で利用者負担は現在より月559円増えると試算されています。

 ホームヘルパーなどが日中・夜間を通じて1日に複数回訪問する「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」も、医師や看護師など多職種と連携を図る体制を整えれば加算が付きます。要介護3の人で利用者負担は月856円増えると見込まれています。

 -利用者の負担は重くなるばかりなの?

 介護と仕事を両立する家族に配慮して、デイサービスなどの受け入れ時間の上限が12時間から14時間まで拡大、送迎時に着替えの介助やベッドへの移乗、電気の消灯や点灯などをした場合も介護報酬の対象となります。質が高く、使い勝手のよい介護サービスには利用者も相応の負担が必要になりますね。

 一方で、2017年度までに、要介護度の軽い「要支援1、2」の人の通所・訪問介護は、自治体に段階的に移行されます。介護保険による一律のサービスから、地域ボランティアやNPOなどを活用したサービスとなり、利用者負担も各自治体に委ねられます。自治体間格差が生じる懸念が指摘されています。

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【ワードBOX】介護報酬

 介護サービスを提供した事業者に支払われる対価の公定価格で、原則3年に1度見直される。利用者負担は1割が基本。残りを国や地方の税金と、40歳以上が支払う保険料で半分ずつ賄っている。


=2015/02/26付 西日本新聞朝刊=

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