【生きる働く】非正規 春闘で待遇改善を ユニオン「1人でも相談して」

連合福岡ユニオンの街頭活動では「最低賃金はいくらが適当?」のシール投票も行われた 拡大

連合福岡ユニオンの街頭活動では「最低賃金はいくらが適当?」のシール投票も行われた

 中盤戦に入った2015年春闘。2年連続で政府が労使交渉に介入する「官製春闘」で賃上げの広がりが期待されるが、全雇用者の2・5人に1人に上る非正規の春闘はどうなっているのか。

 「今の福岡の最低賃金(727円)では、めいいっぱい働いても月12万円にしかなりません。家賃や食費、社会保険料を差し引けばぎりぎりの生活です」

 先月28日、福岡市・天神の街頭。小雨の中、連合福岡ユニオン(同市)の関係者はハンドマイクの訴えに合わせ、「最低賃金千円」を求めるビラを配った。

 最低賃金は、全ての働く人が受け取れる賃金の最低ラインを時給で示したもので、都道府県ごとに決まる。多くの場合、パートやアルバイトなど非正規の賃金の基準となり、最低賃金の上げ下げが非正規雇用者の生活を直撃する。

 街頭活動では、「最低賃金はいくらが適当?」と問うシール投票も実施した。集まった85枚の内訳は、千円前後54▽900円前後24▽800円前後5▽(現在の)727円2-と、最低賃金の引き上げを求める声が圧倒的だった。

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 低収入の非正規雇用者の賃上げは深刻な問題だ。

 中小零細企業の労働組合や非正規など個人加入できるユニオンの全国組織「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」が昨夏実施した14年春闘調査(326人回答)によると、14年度の平均月給は正社員約24万6千円に対し、非正規は約14万8千円と約9万8千円の差が生じていた。

 春闘による昇給額でも正社員の3212円増に対し、非正規は273円増と極めて低い。特に、非正規の女性だけみると160円減額されており、雇用形態だけでなく性別による格差もうかがえた。

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 高度成長期の1955年に始まった春闘は、企業別にとどまる労組と使用者との折衝を産業全体や全国レベルで一斉に行うことで、交渉力を高める狙いがあった。ただ、厚生労働省の2014年調査で労組の推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)が17・5%に低迷する中、春闘の影響力は「大企業の正社員」に限定されつつある。

 非正規雇用者でも2人以上集まれば労働組合を結成し、賃金アップや職場環境改善を会社側と折衝することは可能だ。組合がなくても個人加盟のユニオンに加入すれば団体交渉はできる。とはいえ、有期雇用である派遣や契約社員、パートなどの非正規雇用者は4月に契約更新を迎えるのが一般的。春闘と重なる2~3月に「賃金交渉すれば目を付けられ、契約を打ち切られてしまう」など雇い止めを恐れて抑制してしまうケースが目立つという。

 連合福岡ユニオンの寺山早苗書記長は「非正規も春闘で待遇改善をできる。非正規の弱い立場を利用して会社が賃金を据え置くのは常とう手段。1人で悩まずに労働局やユニオンに相談してほしい」と呼び掛けている。


=2015/03/07付 西日本新聞朝刊=

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