【累犯を断つ】(5)福祉の助けに橋渡し (2ページ目)

 70代の白髪の男は、100円のあめ玉を盗んで懲役刑を受けている。ここが刑務所だとは分かっても、なぜ服役しているのかを理解できていない。「こういう人を刑務所に入れておく意味があるんだろうか。福祉の仕事ではないのか」と麻田は思った。

 同じ房から出所した人に誘われて、養子縁組した受刑者もいるという。「何らかの意図があると思うんです…」。年金を奪われ、出所後も路上で生活する人がいる。「だから福祉で対応するのがいいのではないかと思います」。麻田は繰り返した。

 刑務所に社会福祉士が配置されるようになって4年。司法と福祉の融合は、自立困難な刑務所出所者などを一時的に受け入れる更生保護施設でも進みつつある。

 長崎県雲仙市の山腹にある「雲仙・虹」。社会福祉法人が2009年に造った。施設長の前田康弘(55)は「われわれは司法のアンカー(最終走者)ではなく、福祉の入り口だと思っている。処遇ではない。支援です」と力を込める。多くの更生保護施設が健康で就労可能な人を主な対象とするのと異なり、高齢者や障害者を受け入れる。

 職員は福祉分野の経験者が中心で、法人には看護師もいる。作業施設や自立訓練施設と連携したプログラムがある。

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