【累犯を断つ】(5)福祉の助けに橋渡し (3ページ目)

 「いよいよ旅立ちですね」。11月下旬、血圧を測ってもらった広島豊(70)=仮名=は笑顔を見せた。高血圧と糖尿病。虹ではカロリーを考えた食事を供されていた。

 仕事に就けず、酒の窃盗を重ねた。4度の服役後、虹に入所。そうめん工場で働き、週1回はデイサービスで運動した。

 最初は窮屈に感じた生活だったが、当番で食事を作り合うことで、人のために何かすることを覚えた。8カ月を過ごした虹を出所するにあたって「きちんとした生活が気持ちいい」と語った。

 刑務所を出たあとに助けを求められる福祉のしくみを受刑者に伝えるため、長崎刑務所が7月につくった関係機関との協議会には、保護観察所と地域生活定着支援センター、それに虹が加わる。

 先日あった協議会のあとの懇親会。

 「出所を待たず、受刑者を虹に外泊させて福祉を体験させるのもいいんじゃないか」との声が飛び出した。「ぜひ、やりましょう」と前田。新たな支援のアイデアは尽きない。
(敬称略)

 ▼高齢・障害受刑者の支援 法務省の2006年の調査によると、全国15の刑務所に収容されていた知的障害者や知的障害が疑われる410人のうち、療育手帳を所持していたのは26人。この結果などを受けて国は07年度から大規模な8刑務所に、09年度からは全国の刑務所に社会福祉士を配置した。保護観察所に担当の保護観察官を置き、都道府県の地域生活定着支援センターと連携して、自立が難しい高齢者や障害者を出所後すぐに福祉サービスにつなぐよう図る。全国57の更生保護施設にも福祉スタッフを配置した。

=2011/12/18付 西日本新聞朝刊=

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