障害児の福祉事業や用品開発 保護者団体 活動10年 福岡市

 障害児の親たちがつくるNPO法人「クックルー・ステップ」(福岡市)が4月、発足10周年を迎えた。わが子を試行錯誤で育てる親が集まって情報誌「クックルー通信」を発行したのを機に、障害児専門の福祉サービス事業、当事者目線に立った福祉用品の開発、子どもたちの写真集出版と、多彩な活動を展開してきた。

 クックルーはハトの鳴き声。2004年、福岡市の障害児通園施設の「はと組」に通う子どもの親が集まったことにちなんだ。05年に6人でNPO法人を設立。会員は約70人に増えた。

 年4回発行する情報誌は障害がある子どもとのお出かけ情報や会員の「わが子の誕生・成長記録」などを掲載。中学生の息子について「声変わりで低音ボイス。毎朝抱っこして顔を洗ってあげなくてはならないので、頭のにおいは避けられない。『(幼かった)あの頃に戻りたい』と思う今日この頃」という親の本音も紹介する。理事長の古賀裕子さん(50)は「障害や福祉を美化するのでなく、厳しい現実も知ってほしい」と話す。

 07年には障害児専門の障害福祉サービス事業所を開き、自宅にヘルパーを派遣する居宅介護、放課後や長期休暇の子どもたちの居場所となる放課後等デイサービスなどを実施。「障害児の成長を促す『療育』の視点を持ち、親の気持ちをくみ取るサービスを提供したかった」と古賀さん。今年6月には福岡市南区に新たな放課後等デイサービス「クックルームやなが」をオープンする。

 障害児への理解を深めたいと、障害がある10人の子どもたちの日常を切り取った写真集「君のポケット」(10年6月)も出版。11年には、夫を亡くして障害のある長男(13)を1人で育てる古賀さんが自らの出産、育児を振り返る「涙を勇気に チャレンジ」(全10回)を西日本新聞に連載するなど、積極的に情報発信もしている。

 メンバーの子どもたちは、自閉症や脳性まひ、てんかんなど障害の種類はさまざまだが「障害をマイナスと見るのではなく、挑戦する使命を与えられた人」という意味で「チャレンジド・キッズ」と呼ぶ。この10年は親子で挑戦してきた軌跡でもある。古賀さんは「子どもの成長に伴って新たな課題も出てくる。もっともっと理解者や応援者を増やしたい」と意気込んでいる。


=2015/04/28付 西日本新聞朝刊=

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