噴火で負傷の男性救出劇明らかに 消防団活躍、口永良部島

口永良部島・新岳の火砕流が海岸まで達した跡。下は男性が救出された向江浜地区=4日、鹿児島県屋久島町(共同通信社機から) 拡大

口永良部島・新岳の火砕流が海岸まで達した跡。下は男性が救出された向江浜地区=4日、鹿児島県屋久島町(共同通信社機から)

 口永良部島・新岳(鹿児島県屋久島町)の噴火では、火砕流が北西に約2キロ離れた向江浜地区の海岸に達した。福岡管区気象台は、時速100キロ以上で斜面を下ったと推定。唯一地区に自宅があり気道熱傷を負った70代男性が救出された経緯が、消防団関係者らの話で分かった。

 噴火から約30分後の5月29日午前10時半ごろ、火口から北西に4キロ以上離れた避難先の高台「番屋ケ峰」に男性がいないことが判明。地区の近くでよく散歩する姿が目撃されており、消防団の貴船森副分団長(43)は車を走らせたが、地区の手前で倒木や多量の灰に阻まれた。消防団員久木山栄一さん(36)に「船の準備をして」と指示し、火口から北西に約3キロ離れた本村港で火山の状況を監視。久木山さんら3人は港からモーターボートで出発した。

 久木山さんらは向江浜地区の砂浜から上陸。辺り一面に火山灰が積もり、樹木は枯れているように見えた。一軒家の部屋に弱った状態の男性がいた。「ごめんな」「何を言ってるんだ」。何とか自力で歩ける男性を補助しながら浜へ急いだが、水分を含み粘土状となった白い灰が靴にへばりつき足を取られた。番屋ケ峰に着いたのは捜索開始から約1時間後。両腕や顔にやけどを負う男性は「痛い、痛い」と苦しんだため、看護師らがぬれタオルで冷やした。

 向江浜地区は火砕流の到達想定範囲にかかり、昨年8月の噴火以降、入山規制区域に含まれていた。男性は「自宅近くで一緒にいた犬が噴火の後、新岳の方向に走りだし、追い掛けて谷を下りたら火砕流に遭遇した」と話していたという。久木山さんは「地域の人の動きを把握していたのが役立った。助かって本当に良かった」と振り返る。

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