医療基本法制定へ理解を オンブズマンや医師会などシンポ 「患者の権利守れ」

 「患者の権利」擁護を中核とする「医療基本法」の制定に向けたシンポジウムがこのほど、福岡市博多区のパピヨン24ガスホールであった。NPO法人「患者の権利オンブズマン」(福岡市)や福岡県医師会、薬害オンブズパースン会議(東京)などでつくる実行委員会が主催し、約120人が集まった。

 はじめに、日本医師会の今村定臣常任理事が、同会の医事法関係検討委員会で3月にまとめた「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言」に関して報告。提言がまとめられた経緯について(1)委員会が「医療を取り巻く法律や通達のほとんどが、医療提供者を規制することを目的としたもので、信頼関係を目指すべき医師・患者関係を阻害しており、見直しが必要」と考えた(2)その後、委員会は、患者中心の医療を進めるためにどのような法制度が望ましいかということを中心に検討を始め、その過程で医療に関する基本法が必要との議論に発展した-などと説明した。

 続いて、薬害オンブズパースン会議代表の鈴木利廣弁護士が「患者の権利」について解説。この権利には、最善の医療を受ける権利▽個人の尊厳が守られる権利▽インフォームドコンセントに象徴される「知る権利と自己決定権」▽被験者の権利(臨床研究における患者の権利)▽被拘禁者の権利(認知症患者など、身体拘束を受ける患者の人権)▽医療被害の回復救済を求める権利-の六つがあるとし「こうした患者の権利を土台にしながら医療制度を再構築していくことが必要」と話した。

 シンポでは、各政党とも医療基本法の成立に前向きな印象はあるものの、審議に向けた動きが見えないことも話題に。医療過誤原告の会(東京)の石政秀紹さんは「国会議員は医療基本法の重要性をちゃんと理解していないのではないか」と指摘し、制定に向けて市民側に理解を広めていこうと呼び掛けた。


=2012/11/30付 西日本新聞朝刊=

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