【そもそも講座】「ファミサポ」事業とは 会員同士で子ども預かり 情報を共有し安全確保を

 ●「ファミサポ」事業とは
 
 近くに実家がないので、子どもを預かってもらいたいときに困っています。住んでいる地区に「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」事業というのがあると聞いたのですが、どんなものですか。

 ●会員同士で子ども預かり 情報を共有し安全確保を

 -具体的にどんな流れで預かってくれるのですか。

 「子どもを預けたい人(依頼会員)に、近所の預かりたい人(提供会員)を紹介します。設置は市町村、運営は自治体直営のほか、各地の社会福祉協議会やNPO法人などへの委託もあります。共働きの家庭でなくても利用でき、依頼会員は提供会員に1時間あたり700円前後の報酬を支払います」

 「利用するには事前登録が必要です。初めて援助活動をしてもらう前に顔合わせをし、依頼者側は子どもの普段の様子やアレルギーの有無などを伝えておきます。預かる場所は基本的に提供会員の自宅ですが、習い事や保育所への送迎にも応じます。対象となる子は0~12歳程度のところが多いようです」

 -心強い制度ですね。いつでも預かってくれるのですか。

 「都市部の駅近くは、共働き世帯が集中するため、依頼会員が圧倒的に多く、希望がかなわないこともあります。厚生労働省の2010年度の全国調査によると、依頼会員約35万人に対して提供会員は3割程度の約11万人でした。当日の急な残業への対応は難しい面もあります。一方で、毎日でも預かりたいけれど、近くに子どもがいない提供会員もいるそうです」

 「ファミサポを利用できずにベビーシッターなどを頼むと数倍の費用が発生します。利用したい住民のニーズを満たせるように、自治体には提供会員の十分な確保が求められます」

 -提供会員はどんな人ですか。

 「基本的には講習を受けることが必要ですが、その内容は地域によってばらつきがあるのが実情です。厚労省は『小児看護の基礎知識』『安全・事故』などの項目で24時間程度の研修が望ましいとしていますが、強制力はありません」

 「ファミサポの運営を支援する女性労働協会の08年度の調査によると、講習時間は7~12時間が約3割と最も多く、3時間以内のところもありました。講習時間が長くなると負担が増えて、提供会員がさらに減るという懸念もあります」

 -預かる方も事故が怖くて尻込みしそうですね。

 「厚労省の調査によると、06年から5年ほどの間に骨折ややけどなど重大な事故が15件あったそうです。もちろん提供会員は万が一の事故に備え、保険に入ることになっています」

 「安全性の確保については会員任せにせず、国や自治体の取り組みが求められます。一方で、依頼する親も提供会員と密に連携をとることが大切です。利用する際は、子どもが普段どんないたずらをするか、送迎途中の危険な場所など情報を共有しておきましょう」

    ×      ×

 ●メモ

 国の交付金を受けて、ファミリー・サポート・センター事業を2011年度に実施した自治体は、全国で671市区町村。九州では68の自治体が取り組みました。

 援助活動で多いのは、保育所や放課後児童クラブ終了後の預かりや送迎だそうです。専業主婦も利用でき、買い物や冠婚葬祭の際に子どもを預けるケースもあるそうです。自治体によっては利用料を補助していたり、病児預かりに対応したりしているところもあります。住んでいる地域が実施しているかどうかは各市町村に尋ねてください。

=2012/12/01付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ