車椅子を担架や人力車に アイデア福祉防災機器 540社が展示会

人力車のようにして車椅子の人を避難させる機器 拡大

人力車のようにして車椅子の人を避難させる機器

体の不自由な人を階段で運ぶ機器 会話が不自由な人と意思疎通を図るコミュニケーション絵本

 車椅子を人力車に早変わりさせて避難、車輪付き担架にも-。国内外の企業約540社が参加した国際福祉機器展が東京で開かれ、東日本大震災を教訓にしたアイデア満載の福祉防災機器が出展された。事務局の保健福祉広報協会は「震災の被害を教訓にして、今後も情報発信を続ける」と話している。

 JINRIKI(長野県箕輪町)のけん引式車椅子補助装置は、文字通り車椅子を人力車のように変身させる。ボルトで装着した器具に非常時は金属製バーを差し込み、補助者が前で車椅子を引っ張る。小さな前輪が自然に持ち上がり、押すより軽い力で車椅子が障害物を乗り越える。

 被災地でリヤカーが役立ったことからヒントを得た代表の中村正善さんは「雪道や水害で足元が悪いときでも使える。公共機関に寄付されることが多い車椅子の有効活用にもなる」と話す。

 車椅子を1人で運べる緊急用担架にする機器は、機械メーカーのカナヤママシナリー(富山県黒部市)が出展。車椅子の座面に沿うくの字型の金具とベルトが担架を固定する。代表の金山宏明さんは「被災地で担架を運ぶのが大変だったという声を聞いて開発した。車椅子の大きな後輪なら多少のでこぼこを乗り越えられる」と話す。

 体が不自由な人を階段から降ろす避難具も展示された。福祉機器輸入販売会社テクノグリーン(大阪市)は、自宅でも保管しやすい機器を出展。英国メーカー製で、小さく折り畳めるので場所を取らない上、小回りが利く構造で、踊り場の狭い階段でも使いやすい。

 非常時に会話が困難な人と情報伝達や意思疎通を図るコミュニケーション絵本を出展したのが、デザイン会社tree(山形県米沢市)。代表の金田江里子さんが専門家の意見を基に改良を続けた。会話が困難な人が文字などで意思を伝えるものと、顔や体のイラストで会話や意思表示が不自由な人に気分や体調などを尋ねるものがある。絵本は特殊な紙製で水中でも使える。

 金田さんは「スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末は全ての人が使えるものではない。デザインの力で、楽しいことや人を安心させることができれば」と話していた。

=2012/12/06付 西日本新聞朝刊=

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