【あした天気図 私の共同参画考】<4>「よろい」は脱ぎ捨てて 会社経営 友井ルミさん 美容家 IKKOさん

 ■新訳男女 シリーズ第24部■
 
 ●会社経営 友井ルミさん(52) 美容家 IKKOさん(50)

 性別に関わりなく支え合わなければ、少子高齢化が進む社会は持ちこたえられない。その基盤となる男女雇用機会均等法が1986年に施行されて、四半世紀が過ぎた。そのころに就職した「均等法第一世代」は今、社会の中核を担う50歳前後を迎えている。この間の時代の変化を追った連載企画「新訳男女」の第1部、第1回(昨年1月)に登場していただいたコンサルタント会社社長の友井ルミさん(52)=福岡市=と、そのきょうだいで美容家のIKKOさん(50)に、同世代へのエールを語り合ってもらった。

 -お互いはどんな存在ですか。

 IKKO「子どものころは比較されるのが嫌だった。美人で何でもできる姉に対し、周囲から『気持ち悪い』『おかま』など汚い言葉を浴びせられた。ナイフで心をえぐられるようだった」

 友井「当時はそんなに苦しんでいるとは知らなかった。弟は幼いころから『一流になりたい』と宣言して、夢に向かって努力を重ねていました」

 -それぞれ忘れられない贈り物があるとか。

 IKKO「若いころ、収入が厳しくて困っていたとき、姉が布団乾燥器を買ってくれた。当時は敷布団が湿気でビチャビチャになってしまうから、ビールケースにマットレスを敷いて寝ていた。姉の思いやりにジーンときて…。一生忘れないプレゼントです」

 友井「多忙だろうから、寝るときだけでもリラックスしてほしいと思ったの。私も独立して仕事がうまくいかないときに、お守りとして指輪をもらった。弟が大事にしていたものだから、指輪を通して愛やパワーが伝わってきました」

 IKKO「姉は子どものころから、いつも元気で甘えられない性格。絶対泣かないよね。でも、苦しんでいるときは何とか力になってあげたかった。姉には20代のとき『女として生きていきたい』とカミングアウト(告白)した。本当の私を理解してくれる人がいることに救われました」

 -性的少数者に無理解な社会や性差別など、さまざまな逆風に立ち向かってきたのですね。

 IKKO「誰にもカミングアウトできずに、苦しんでいる人もたくさんいると思う。でも、自分の人生は人のために生きるんじゃないから、人がどう見ようと関係ない。周囲を変えようと思ったら、もっと状況は悪くなる。自分が変わった方が楽だと思う」

 友井「均等法施行から四半世紀が過ぎ、女性の経営者や管理職は増えた。といっても受け入れる土壌は十分じゃない。その反動で女性の方が『対等に見られたい』とよろいをまとっているような気がします。『どうせ女は…』と言われたくないから弱音を吐けない環境になってしまっている」

 ▼ともい・るみ 1960年、福岡県福智町生まれ。東京での貿易会社勤務などを経て、33歳で独立。パソコン活用などを支援するコンサルタント会社「リファイン」を福岡市で設立した。16歳と12歳の娘がいる。

 ▼いっこー 1962年、福岡県福智町生まれ。雑誌の表紙やテレビ、舞台などのヘアメイクで活躍。タレントとしても多くのバラエティー番組などに出演している。2011年から福智町の観光大使を務める。

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 ●衆院選 課題チェック=雇用機会

 女性の就業率を見ると、子育て期の30代に落ち込み、折れ線グラフがM字カーブを描いている。育児休業や介護休業、病児保育など制度面は整備されてきたものの、休みにくい職場の雰囲気を感じる人は少なくなく、この傾向は解消されていない。

 少子高齢化が進む中、経済の活性化には女性の活躍が欠かせない。そこで政府は「働くなでしこ大作戦」と銘打って、女性の就業率を上げようと取り組む。目標では(1)25~44歳の女性の就業率を、2011年の67%から、20年までに73%(2)第1子出産前後も仕事を続ける女性の割合を10年の38%から、20年までに55%-にするとしている。

 一方で、子育てや介護などにより、女性労働者の半数は非正規という現実もある。特に35~44歳は55%、45~54歳は58%、55~64歳は66%と年齢が上がるほど非正規の割合が高く、若い世代でも女子学生の就職率が景気に影響されやすい傾向は相変わらずだ。

 共働き世帯が半数を超える今、就職難や非正規、職場の雰囲気といった問題は、若い世代の男性も共通して抱えている。誰もが、それぞれの事情に合わせて家庭と仕事をバランスよく両立できる社会の態勢づくりが求められる。

=2012/12/07付 西日本新聞朝刊=

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