【そもそも講座】雇用の性差別解消は? 均等法で採用は平等に 女性優先の取り組みも

 ●雇用の性差別解消は?
 
 大学3年生の就職活動が1日に解禁されました。女子は男子と比べて不利な取り扱いをされないか心配しています。企業が社員を募集・選考する際に、男女差別を禁止する取り決めはありますか。

 ●均等法で採用は平等に 女性優先の取り組みも

 -男女雇用機会均等法がありますね。

 「1986年に施行されました。第5条で、事業主は募集・採用について性
別に関係なく均等な機会を与えなければならない、と定めています。例えば…」

 「採用や募集で、事務職に女性だけを、営業職に男性だけを採用するような計画は違法です。情報提供の面では、学生が資料を請求したのに、男女いずれかにしか募集要項や会社案内を送らないことは認められません。会社説明会の実施日を男女で別にし、配布資料を変えることも禁止されています。セミナーで採用担当者が『女性はすぐに辞めるから期待していない』と発言するのも不適切です」

 -均等法が施行されて26年もたつのに、職場ではまだ男女平等とはいえないようですね。

 「雇用者総数に占める女性の割合は年々増え、昨年は42・7%、2237万人でした。ただし、女性は非正規社員が54・7%にのぼり、男性(19・9%)より不安定な立場にあります」

 「社員100人以上の企業で管理職に占める女性の割合も増加傾向です。しかし、均等法施行から四半世紀たった昨年でも、課長級以上の女性はわずか7・2%でした。世界的に見ても低い数字です」

 -国は何か対策を取っていますか。

 「厚生労働省は『ポジティブ・アクション』という取り組みをしています。男女の役割分担意識や、男性中心の職場慣行が原因となって『営業職にほとんど女性がいない』『管理職をほとんど男性が占めている』といった差が男女間にある場合、自主的に解消することを企業に呼び掛けています」

 「企業のある部署や役職で、女性の割合が4割を下回っていれば、男女格差があると判断されます。格差を是正するために、企業が女性を有利に扱ったり、女性だけを対象にしたりする対策は、ポジティブ・アクションであり、均等法違反にはなりません」

 -女性を優先しても構わないのですね。

 「ポジティブ・アクションでは、募集や採用の情報提供で女性に有利な取り扱いをすることや、採用基準を満たした人のうち、男性より女性を優先して採用することも認められます」

 「ただ、単なる思い付きで『女性を採用で優先したい』という理由は認められません。企業が男女格差の現状を分析し、女性の割合目標などの計画を作成し、具体的に取り組んでいることが条件となります」

 -ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の情報は、どこで知ることができますか。

 「専用のホームページがあります。『ポジティブ・アクション応援サイト』で、女性が活躍できるよう、先進的な取り組みをしている企業の情報を見ることができます。地域別や業種別に検索できるので、就職活動の参考にしてください」

    ×      ×

 ●メモ

 政府は6月、女性の活躍を経済活性化につなげようという「働く『なでしこ』大作戦」を始めました。女性の働き手を増やし、減り続ける労働力を補う狙いなどがあります。職場での男性の意識改革や、男女の機会均等を実現する積極的な取り組みが柱です。

 その一環として、厚生労働省は、企業を訪問し、女性の社員や管理職を増やすポジティブ・アクションに積極的に取り組むよう訴える「営業大作戦」を展開しています。例えば福岡労働局は本年度、福岡県内の120社を回る予定にしています。この中で、女性を積極的に採用するよう求めています。各大学の就職担当部署にも文書を送り、情報提供しているそうです。

=2012/12/08付 西日本新聞朝刊=

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