エコ、ミニバイクより安全 超小型車 シニア照準 買い物や通院 手軽に

 車よりエコで手軽に乗れてミニバイクより安全、自転車やシニアカーより遠くへ行ける-そんな超小型電気自動車の開発が進んでいる。1回の充電で走れる距離は50~100キロ程度だが、買い物や趣味、通院などの足には十分だ。軽自動車より一回り小さくて運転も簡単。斬新なデザインのモデルもあり、シニアの新しい足としても期待される。

 国土交通省は「超小型モビリティ」として新しい規格の乗り物に位置付け、安全基準などを1月末に施行する予定。乗車定員は1~2人、高速道路は走行不可となるが、税金や車検などは当面、軽自動車と同じ扱いとなる見通しという。

 トヨタ車体は既に「コムス」を販売中。コンビニ店の宅配などに利用されている。法律上はミニカーなので、車検はなく保険などの維持費も安い。定員1人で速度60キロで走れる。車体は幅約1メートルで、狭い道でも安心。交通量の多い幹線道路には向かないが、自宅周辺を走るには十分だ。

 日産自動車の試作車「ニューモビリティコンセプト」は跳ね上げ型のドアが目を引くデザイン。定員は2人でバイクのように前後に乗る。車の流れに乗る加速力と、約100キロの航続距離で、近距離ドライブにも使えそうだ。訪問診療や観光地でのレンタルなど多彩な利用法で関心を集めており、同社エンジニアは「社会の交通システムの中にうまく組み込むような使い方ができれば」と自信を見せた。

 ホンダの試作車「マイクロコミュータープロトタイプ」は後部に子どもが2人乗れるタイプで、子育て世代にも便利そうだ。車体の基本部分が共通で、子育て用、宅配用、シニア用とボディーを換装できる特徴があり、今春から実証実験を始める。ダイハツ工業も独自の衝突防止機能などを備えたシニア向けのモデルを研究中だ。

 あるメーカーのエンジニアは「長距離を走る大きな車はレンタカーにして、普段は近所を移動するだけの車があればいいという意識が広まれば、こうした車両が役に立てる場面が増えるはずだ」と話していた。


=2013/01/10付 西日本新聞朝刊=

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