家計簿で生活見直す シニア向けなど種類豊富

書店にはさまざまな種類の家計簿が並んでいる=福岡市・天神のジュンク堂書店福岡店 拡大

書店にはさまざまな種類の家計簿が並んでいる=福岡市・天神のジュンク堂書店福岡店

「家計ノート2013」を執筆した細野真宏さん。三日坊主にならないために「最初からハードルを上げ過ぎないで」とアドバイスする

 長引く不景気や政府が検討している消費税アップ、社会保障制度の見直しなどを背景に、シニアの間で家計簿を付け始める人が増えているという。専門家は、定年退職や子どもの独立、配偶者の死去など、人生の節目に生活を見直すために有効な「暮らしの道具」だと指摘する。

 ジュンク堂書店福岡店(福岡市)で扱う家計簿は、約150種類。価格は300~千円ほどで、日記帳と兼用やレシートを入れる封筒付きなど多伎にわたる。実用書担当の広永麻理絵さん(28)は「自分で書くことで使ったお金の実感も湧く。さまざまな種類の家計簿から、自分の生活スタイルや好みに合ったものを選んでもらえたら」と話す。

 経済評論家の細野真宏さんは、機能性にこだわった「家計ノート2013」(小学館)を手掛けた。定年を迎えた60歳以上の読者の関心が高いという。「自由に書けるメモ欄を使い、スケジュール帳や日記のように使う読者もいます」と細野さん。続けるうちに慣習的な無駄な支出が分かり始める。

 三日坊主にならないために、細野さんは「最初からハードルを上げ過ぎないこと。全てを書き出すのではなく、初めは自分なりの緩いルールをつくって最低これだけ、と続けるのもこつ」とアドバイス。長期的なお金の見通しが立つと、経済面の漠然とした不安感がなくなり、大きな支出の計画も立てられるという。

 定番の一つが、婦人之友社(東京)の家計簿。年金生活者向けに「高年生活の家計簿」を発売する。同社代表で編集担当の千葉公子さんは「年金生活に入ると被服費や交際費、食費などが変わる。配偶者が亡くなった場合も、どちらが残るかで収入が変わります」と人生の節目で家計を見直す必要性を指摘する。効用として「自分の生活を振り返り、いい方向に変えることができます」と話
す。

 総務省の家計調査によると、年金生活者などの無職のシニアの場合、夫婦、単身の場合ともに家計は赤字で、多くは貯蓄を切り崩しているとみられる。高齢者のお金と暮らしの問題に詳しい岐阜大学教育学部教授の大藪千穂さん(家計分析)は「高齢になると、家屋修繕費や冠婚葬祭費など生活費以外の支出も増えるほか、収入の減少で戸惑うこともある。限られた収入をどう生かすかを見直す道具として、家計簿は効果的です」と話している。

=2013/01/31付 西日本新聞朝刊=

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