主婦と企業 どうつなぐ 主婦の希望「小さな働き方」 企業側「活用したいが…」 福岡市の市民団体が調査

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田中彩さん

 ■新訳男女 語り合おう■
 
 多くの企業が子育て中の専業主婦を「人材」として活用したいと考えていることが、福岡市の市民団体「バランス・ママン」の調査で分かった。一方で、給料は安くても短時間の「小さな働き方」を望む専業主婦も多く、企業側が柔軟な勤務条件を整えられるかが課題の一つとなっている。

 「バランス・ママン」は女性の産後支援を目的として2008年に設立。10年には子育て中の専業主婦201人にアンケートし、出産前と比べて「小さな働き方」を望む声が多かったことから、企業側のニーズを探ろうと今回の調査を企画した。実施期間は昨年8~12月で、福岡市と近郊の20社にインタビュー形式などで調査。10人ほどの会社から3千人規模まで、医療、食品、住宅関連など幅広い業種を対象とした。

 その結果、1社を除いて「主婦の活用を考えたことがある」と回答。料理や育児など生活力が求められる仕事(12社)、接客や営業などコミュニケーション力が求められる仕事(11社)などを想定し、望む人材として「自立しスキルアップに努めている」「時間制限がある中で最大限の結果を出せる」などを挙げた。

 「スキルを持った人材には柔軟な働き方を提案したい」「業務を責任を持って果たせるなら期間限定でいい」と考える企業も多かった。実際に、始業・終業を自由に設定できるフレックスタイムや在宅勤務を導入している例もあった。「短期間で終了する業務」を任せたい企業は10社あった。

 10年の調査では、専業主婦の再就職の条件として「4~6時間勤務」が65%、希望の雇用形態を「パート・アルバイト」とした人が8割だった。人事担当者からは「長時間の求人にした方が応募者が集まり、主婦に限定する必要性を感じない」「ワークシェアは勤怠管理や教育など手間が増える」と厳しい声もあり、企業間の温度差も見られた。

 「有能な主婦と出会う機会がない」「期間限定の仕事があっても募集の場がなく、派遣会社を利用している」という企業も。調査時の団体代表で2児の母の田中彩さん(38)は「有能な人材が家庭に眠っているのは社会にとってもったいない。子育てしながら自分らしく働けるよう、環境を変えなければ」と指摘する。

 田中さん自身は昨夏、企業と主婦をつなぐNP0法人・ママワーク研究所を設立。働きたい主婦に「自分の能力を洗い出した上で、企業に積極的にPRすることが大切」とアドバイスする一方で、企業側には働き方の選択肢を増やして積極的に公表すること、正社員登用制度を設けることなどを提案している。

=2013/04/13付 西日本新聞朝刊=

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