腰・膝痛 足指伸ばし改善 “土台”安定し負担軽減 福岡のクリニックで取り組み

湯浅慶朗さん 拡大

湯浅慶朗さん

【右】変形性腰椎症の80代女性。来院時、腰はエビのように曲がっていた【中】治療によって徐々に改善【左】3カ月後、背筋が伸びた

 加齢とともに、膝や腰の痛みを訴える人が少なくない。厚生労働省の調査によると、腰痛人口は推定2800万人で、40~60代の約4割が悩んでいるという。こうした痛みを足の指を伸ばし、足の裏の状態をただすことで改善させているのが、福岡市博多区の「みらいクリニックフットケアセンター」だ。医師の指示の下、理学療法士として治療にあたるセンター長の湯浅慶朗さんにその考え方を聞いた。

 ■3ヵ月でまっすぐ

 逆立ちするとき、手の形はどうしますか。手のひらを大きく広げ、指はまっすぐ伸ばすでしょう。指を伸ばし、地面をつかむことで上体のバランスが保てるのです。手の指が曲がっていたら逆立ちはできません。

 手を「足」に置き換えると、手首は足首、ひじは膝、肩は股関節に当たります。足指がしっかり伸びて開いた状態であれば、人は真っすぐに立てます。ところが残念なことに、ほとんどの現代人は、間違った靴の選び方、履き方などによって足指が変形し、土台が崩れています。

 それでも膝や腰で上体のバランスをとることで、ヒトは立ったり歩いたりできるのですが、それらの部位にかかる負担が膝痛や腰痛を招くわけです。そう考えると、ただすべきは痛む部位より、支える土台の方。足指が伸びて土台が安定すれば、おのずと改善する可能性が高まります。

 ある日、膝の痛みを訴えて80代女性が来院されました。当初は変形性腰椎症で腰がエビのように曲がった状態でした。そこで足指を伸ばし、足の裏のバランスを整える治療をしたところ、背筋が伸び、3カ月後にはすっとまっすぐ立てるまでになりました。

 ■2人一組でテスト

 足指の大切さを輪ゴムで簡単に確認できる2人一組のバランステストを紹介しましょう(Aは患者、Bは術者)。

 【実験1】

 〈(1)Aは、ひとこぶし分ほど足の幅を開き、Bと向かい合わせで真っすぐ立ち、腕を伸ばして両手を組む(2)Bはひざまずいた状態でAの手首を握り、真下に引く。かかとが浮き、片脚が前に出るまで引く。力比べではないので、Aが腰を曲げて構えたり、腕で持ち上げたりしてはいけない(3)足裏の筋力が低下している人は、どちらか片方の足が前に出たり、ぐらついたりする(4)Aが後ろ向きになり、手を後ろで組んで(1)~(3)を行う-〉

 手を引っ張られてバランスを崩した人は、足指が伸びず、足の裏のバランスが壊れています。

 【実験2】

 〈前に出た方の足の土踏まずに輪ゴムを巻き、(1)~(4)を行う-〉

 輪ゴムを巻くことで、わずかですが足の裏にあるアーチが整い、足指がほんの少し伸びました。全身に力が入り、踏ん張るのに力がいらなくなったはずです。

 【実験3】

 〈土踏まずに輪ゴムを巻いたまま、同じ足の親指から薬指に輪ゴムをかけて(1)~(4)を行う-〉

 足指が閉じた状態となったため、先ほど踏ん張れた人も、今度は踏ん張れなくなったでしょう。

 歩行中、腰椎には体重の約1・5倍、膝には2~3倍の負荷がかかります。80代女性の場合、膝や腰にかかっていた負担が、足指を伸ばすことで土台が安定。姿勢がよくなり、膝や腰への負担が減少しました。それが症状の改善につながったと私は考えています。

 6月5日から毎週水曜に週1回、生活面でこんなテーマで連載していきます。お楽しみに。

 ◇みらいクリニックフットケアセンター=092(415)2153(診療は火-土曜)。

=2013/05/22付 西日本新聞朝刊=

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