シニア劇団 猛特訓中 山梨「南アルプス桃源座」 6月の全国大会で旗揚げ

「学生のころに演劇をやっていた」という劇団員もいる南アルプス桃源座=山梨県南アルプス市 拡大

「学生のころに演劇をやっていた」という劇団員もいる南アルプス桃源座=山梨県南アルプス市

 シニア劇団の祭典「全国シニア演劇大会in南アルプス」が山梨県南アルプス市で6月5~10日に開催される。地元のホスト劇団として大会で旗揚げ公演を行う「南アルプス桃源座」が、宮崎県延岡市など全国から集まる先輩劇団に「完成度の高いものを見せたい」と猛練習に励んでいる。

 南アルプス市は市制10周年の記念イベントとして大会を共催し、300人収容のホールを貸すなどして協力。北海道から九州の13都道府県の15劇団の約250人が参加する。初日と9日の終演後には観客や地元住民、各地の劇団員らによる交流会も開催され、地域興しにも一役買う予定だ。

 大会主催者のNPO法人シニア演劇ネットワーク理事長で俳優の鯨エマさん(40)が率いる「かんじゅく座」が昨年8月にプレ公演を行い、地元劇団員を募集。南アルプス桃源座が55~89歳の男女18人で立ち上がった。上演する「夢老い、夢追い」はシニアにも夢を失わないでいてほしいとのメッセージを込めた物語で、県の文芸同人誌で小説執筆歴30年という甲府市内の神社の宮司さんが脚本を書いた手作り作品。

 結成したばかりのころは「できれば通行人の役を」「せりふはなしで」と控えめだった劇団員が、練習が進むにつれて演劇魂に火が付いた。稽古場では宙をにらみながらブツブツつぶやく人や、蛍光ペンで引いた線や書き込みでびっしりの台本を必死で読み込む人も。それでも「あっ、せりふが…」。陽気な笑い声が絶えない。

 市職員OGで劇団員の飯野多恵子さん(60)は「大会をきっかけに地方開催が慣例になり、全国の演劇好きのシニアや劇団員の方が旅行を楽しむようにさまざまな地方で集まれるようになれば」と期待を込めた。マイカーを自ら運転して稽古場に通う団員最高齢の米山富子さん(89)は「全国から来る劇団の皆さんに完成度の高いものをお見せしたい」と気合を入れた。

 鯨さんは「若い人が減っていく地方の街では高齢の人たちが取り残されている。演劇は仲間や自分の役と巡り会える『出会いの宝庫』。見る人と演じる人がいれば、劇場やセット、衣装、お金がなくても演劇は始められます。せりふが覚えられなくても、やり方はあります。大会でいろいろな地方を回って、シニア演劇の面白さと可能性を大勢の人に知ってもらいたい」と話している。

 日程は次の通り

 【5日】かんじゅく座(東京)南アルプス桃源座(山梨)【6日】アトリエ劇研シニア劇団水組(京都)NPO法人大正浪漫一座(三重)仙台市シニア劇団まんざら(宮城)【7日】南の風(北海道)MAロッキーズ(東京)【8日】劇団かぶつ(東京)川西町フレンドリープラザシニア劇団(山形)のべおか笑銀座(宮崎)【9日】生駒市シニア劇団らくらく演劇塾(奈良)劇団ババーズ(福井)石見国くにびき18座(島根)【10日】金沢市民芸術村ドラマ工房Agクルー(石川)劇団笑劇(青森)南アルプス桃源座(山梨)

 チケットは1公演につき1000円。問い合わせはX-jam制作部=042(978)6976。

=2013/05/30付 西日本新聞朝刊=

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