平均67歳のチアチーム 20周年へ「地方にも笑顔を」 東京・ジャパンポンポン

イベントでダンスを披露するジャパンポンポンのメンバー=今年4月、東京大学 拡大

イベントでダンスを披露するジャパンポンポンのメンバー=今年4月、東京大学

 ビート音楽に合わせてポーズを決める。スパンコールの衣装に身を包むのは、平均年齢67歳の女性たち。1996年に東京で結成されたチアリーディングチーム「ジャパンポンポン」だ。2015年に20周年の記念イベントを計画中で、新メンバーを加えて元気いっぱいに活動している。

 28人のチームを率いる会長の滝野文恵さんは最年長の81歳で、3分の1が70代。週1回、東京都内で2時間の練習を行い、シニア野球チームの応援や同窓会などで活動する。4月に東京大学であったイベントでも見事なダンスを披露し、拍手を浴びた。

 ハイネックに長袖、スパンコールが輝くチーム衣装は、年齢を感じさせず、派手さで目を奪おうという工夫も施されている。滝野さんは「20周年の目標は地方へ笑顔を届けたいということ。ただ、メンバーが多いので交通費が悩みの種。それが解決できるならどこにでも行きたい」と語る。

 滝野さんは「50歳を過ぎたら、人前で大勢の視線を集めることなんてないでしょ? きらきらの衣装で非日常の世界に行く。タカラヅカみたいじゃない?」と魅力を語る。メンバーの黒田明子さん(73)も「人生観が変わった。ステージでは大勢の人が拍手してくれて、すごい高揚感がある」と話す。

 メンバー募集のオーディションは年1回。今年は4月末に実施し、3カ月がトライアル期間だ。3人が合格し、その中に東日本大震災の福島第1原発事故の影響で福島県内から都内へ避難した50代の女性がいた。震災と原発事故の風評被害で夫は失業し、自分はがんが見つかった。一時は何もやる気が起こらなくなり、自宅に引きこもった。

 女性は滝野さんたちをテレビで見て「こんな年齢の人がやっているチームがあるんだ」と励まされた。手術で体力が低下し、オーディションを受ける決心がつかなかったが、夫も東京で再就職先が見つかり、家族や友人たちが後押ししてくれた。

 「以前の私はもっと活発で笑う人でしたが、震災と病気で生きる希望を失いかけて、私じゃなくなっていました。ここに来たのは以前の私に戻る突破口をもらうためなんです」

 2時間の練習でメンバーは汗びっしょり。練習場の隅では新メンバー候補の3人が黙々と基本動作の練習を続けた。滝野さんは「私は元気である限り続ける。もし、私が辞めても解散なんてあり得ない。ちゃんと次世代につなぐ」。チームにかける情熱は結成20年のその先も燃え続ける。

=2013/06/06付 西日本新聞朝刊=

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