土下座写真、演出だった?
全801文字。1945年8月15日の朝刊1面に終戦を告げる天皇の詔書が載った。紙面は狩野貞直整理部次長が徹夜で組み上げた。戦後の社報には「早版1面の大刷でトップ横見出しに『帝国、ポツダム宣言を受諾』とあったのを直したのが今でも深い感慨」とある。
紙面は表裏2ページだった。正午の玉音放送が終わるまで配達してはならないとされた。戦争継続派の決起など、不測の事態を招きかねないとの理由からだった。
詔書の下段には14日の御前会議の様子が盛り込まれた。〈朕の一身は如何にあらうともこれ以上国民が戦火に斃(たお)れるのを見るのは忍びない〉。降伏を決めた天皇の言葉に、全閣僚が号泣した場面が描かれている。
この記事が一切削られて空白になった別の8月15日付紙面が存在していることが新たに分かった=(5)。