台風4号、温帯低気圧に 気象台「引き続き大雨警戒を」

 台風4号は21日午前9時、九州の西海上で温帯低気圧に変わった。同日夕から夜にかけて、九州北部を通過する見込み。低気圧の影響で、九州北部付近に停滞した梅雨前線が活発化しており、福岡管区気象台は引き続き、非常に激しい雨が降る恐れがあるとして、土砂災害や河川の増水に注意を呼び掛けている。

 気象台によると、18日夕の降り始めから21日午前までの総雨量は長崎県対馬市で241ミリ、大分県日田市椿ケ鼻は204・5ミリ、福岡県添田町英彦山は202・5ミリ。22日正午までの24時間予想雨量は熊本、宮崎、鹿児島3県の多い所で120ミリ、福岡、佐賀、長崎、大分4県は100ミリ。

 福岡県内では、筑後地方などで断続的に雨が降り続いており、1時間当たり40ミリの激しい雨が降る可能性がある。

 温帯低気圧は21日午前9時現在、九州の西海上を時速約30キロで東北東に進んでいる。中心気圧は1002ヘクトパスカル、中心の南東側560キロ以内と北西側370キロ以内で、風速15メートル以上の強風が吹いている。

■身構える豪雨被災地

 昨年7月に九州北部豪雨に見舞われた福岡、熊本、大分各県の被災地では21日、台風4号から変わった温帯低気圧に伴う大雨に備え、引き続き警戒を強めた。復旧工事が進まず、山肌がむき出しの地域もあるため、被災地の70人超が一時、自主避難。住民たちは「災害が繰り返されなければいいが」と雨雲に覆われた空をにらみ、身構えた。

 九州北部豪雨で一時“孤立”状態となった福岡県八女市星野村。20日の降水量は138ミリを記録し、同日夜から高齢者を中心に14世帯25人が公民館などに自主避難した。

 最多の9世帯13人が集まった同市星野支所で一晩を過ごした山口力男さん(76)は「自宅裏の川が工事途中でいつ崩れるか分からない。足が不自由なので念のために避難した」。21日朝には全員帰宅したが、力男さんの妻の富子さん(71)は「1年ぶりの避難で背中は痛かったが、安心には替え難い。また台風は来るからね」と語った。

 復旧工事を担当する八女市土木災害復旧室は、復旧工事の発注件数が5月末時点で25%と進んでいないため、梅雨に入っても工事は継続。担当者は「予定していた応急工事は終わったものの、やはり雨が心配。あまり降らないでほしい」と祈るように空を見つめた。

 昨年の豪雨災害で死者21人、不明者1人の被害を出した熊本県阿蘇市では、20日夕から15世帯39人が自主避難所で夜を明かした。昨年の災害で土石流の怖さを知らされた山つきの集落では、安全な平地に一時避難用の借家を確保した住民もおり、一斉に移動して人影がすっかり消えたところもあった。

 阿蘇市一の宮町古城地区。21日朝、砂防ダム建設へ向け作業用道路工事が進む現場脇で、すぐ近くに住む白石健男さん(85)は「雨で地盤が緩んでいる。怖いから、昨夜は市内に借りている家に避難した。荷物を取りに戻ってきたが、雨は心配」と土石流の跡が生々しい山を不安そうに見上げた。同地区で酒屋と雑貨商を営む男性(65)もこの日朝、避難用の家から自宅点検のため一時帰宅。「午後からも雨に要警戒なので、またすぐ避難所に戻る」と急いで家内を整理していた。

 昨年の豪雨で山国川が氾濫した大分県中津市耶馬渓町では4世帯8人が自主避難。同県内では小中高など計67校が休校した。そのほか、北九州市若松区や戸畑区などの小学校が午後からの授業を取りやめ、児童を早退させる。

=2013/06/21付 西日本新聞夕刊=

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