「心のケア」避難所巡回を本格化 30都道府県が専門チーム 

 熊本を中心とする地震被災者の精神面をケアするため、医師らでつくる「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」が熊本県の避難所巡回を本格化させている。県によると、27日までに宮城、愛媛など30都道府県の支援チームが活動した。不眠などの症状を放置すれば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に至る恐れもある。最初の震度7の地震から28日で2週間。余震が続き、避難長期化が予想される中、息の長い「心のケア」が必要だ。

 DPATは、東日本大震災で心のケアが後回しになった教訓から、厚生労働省が2013年に活動要領を定めた。出動は14年8月の広島市の土砂災害、14年9月の御嶽山(長野、岐阜県)噴火災害に続いて3回目。地震災害では初めて。

 熊本、阿蘇両市の2カ所を拠点本部に避難所を回っており、27日は約20チームが活動。自宅の損壊や避難生活によるストレスで、不眠やうつといった症状が出ていないかどうか、面談で精神状態を確認。重症化しないよう相談に応じている。地震の前から認知症や、発達障害などの症状があった人にも対応。医療機関へ橋渡ししたケースもあるという。

 山形県立こころの医療センター(鶴岡市)は、山形県チームとして、精神保健福祉士や看護師ら4人を派遣。23~26日の4日間でストレスや精神疾患を抱えている30人余りと接した。

 30都道府県以外にも長野県、山梨県などが活動を予定している。熊本県は、地元の医療機関が被災したり、スタッフが極めて忙しかったりするとして、1日25チーム程度の活動ができるよう派遣継続を求めている。

 DPATは発生当初、地震で損壊したり、水や電気が使えなくなったりした熊本県の精神科病院6カ所から、入院患者計566人を別の医療機関などへ搬送した。

 東日本大震災では、沿岸部の精神科病院への支援が遅れて一時孤立するケースが出たが、今回は発生から1週間程度で搬送を完了した。

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